第97回選抜高校野球大会は22日、1924年の第1回大会決勝で戦った早稲田実(東京)と高松商(香川)が1回戦で対戦しました。選抜では101年ぶりの顔合わせで、早実が8ー2で勝利し、雪辱を果たしました。翌25年夏の決勝も含めて2度敗れていた相手に、3度目の対戦で初勝利を飾りました。
こうした「高校野球の因縁の対決」は、他にも挙げられます。
近年では、1998年春から翌99年春にかけて3度対戦した横浜(神奈川)とPL学園(大阪)の対戦。98年春の準決勝では九回にスクイズでもぎ取った勝ち越し点を横浜のエース松坂大輔が守り切り、3ー2で勝利。横浜は決勝戦も勝ち、センバツを制しました。
同年夏は、準々決勝で延長17回の死闘を演じ、9ー7でまたも横浜が勝利。横浜は準決勝の明徳義塾(高知)戦に勝つと、決勝の京都成章(京都)では松坂がノーヒットノーランを達成し、史上5校めの春夏連覇を成し遂げました。99年春は1回戦で当たり、シーソーゲームの結果、6ー5でPL学園が雪辱を果たしました。
「昭和の名勝負」では、60年夏から61年夏にかけて3度対戦した法政二(神奈川)と浪商(大阪)の対決。法政二には柴田勲(元巨人)、浪商には尾崎行雄(元東映)という球史に名を残すスター選手が在籍し、甲子園を大いに盛り上げました。
60年夏は2回戦でぶつかり、柴田は2年生、尾崎は1年生エースとして登板し、法政二が4ー0で制し、そのまま法政二は優勝しました。61年春は準々決勝で対戦し、またも法政二が3ー1で勝ち、夏春の連続優勝につなげました。
3度目の対戦は同年夏の準決勝で当たり、「今度こそ」という波商の執念が実って、延長戦の末に4ー2で勝利を収め、決勝戦も制して全国制覇を成し遂げました。
この「3つの因縁の対決」は、いずれも連敗していたチームが「3度目の正直」で雪辱を果たしました。何か、これも「不思議な因縁」のように感じられますーー。
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1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。