今季、新たに大リーグに挑む日本選手に「壁」が立ちはだかっています。

 20日(日本時間21日)、米各地でオープン戦が行われ、巨人からオリオールズに移籍した菅野智之はヤンキース戦に先発したが、4回2/3を投げて6安打、5失点。昨季、ア・リーグの本塁打と打点の2冠を獲得し、MVPに輝いた2番・ジャッジに、一、三回と2打席連続で四球を与えると、これがいずれもピンチにつながり、5番・チザムに2点二塁打と3ランを浴びました。

 中日からナショナルズに移籍した小笠原慎之介は、メジャー3年目の千賀滉大と先発で顔を合わせ、千賀は3回2/3を投げ無安打1失点(自責点0)と貫禄を示したのに対し、小笠原は同じ3回2/3を投げて8安打8失点と炎上してしまいました。

 阪神からフィリーズに移籍した青柳晃洋は、招待選手として春季キャンプに参加していたが、オープン戦4試合に登板して計3イニングで4失点、防御率12.00と振るわず、マイナーキャンプ降格となってしまいました。これで開幕メジャーは絶望的となり、今後はマイナーリーグで実績を残してメジャー昇格を目指すことになります。

 東京・桐朋高校からアスレチックスにマイナー契約した森井翔太郎は、4〜5年後のメジャー昇格を目指しています。

 唯一、順調なのはロッテからドジャースへ移籍した佐々木朗希で、東京ドームで行われたカブスとの開幕2連戦の第2戦に先発し、3回を投げて1安打、3奪三振、5四球、1失点と、コントロールにやや難があったが、初登板としてはまずまずの投球内容を披露しました。

 佐々木以外の4人は、まだメジャーの実績はなく、高い「壁」が立ちはだかっているが、菅野が「もちろん点を取られたのは悔しいが、それ以上に得たものも大きかった気がする。しっかり次につなげないといけない」と述べたように、「壁」を撃ち破るのは自身の力しかありません。そうした上昇力に期待したいと思います。

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 1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。