「投球数」について、MLB開幕戦で対戦したカブスのカウンセル監督とドジャースのロバーツ監督が、19日の第2戦の試合前、それぞれ持論を展開しました。前日の開幕戦でカブスの先発・今永昇太が4回、無安打、投球数69で降板したことと、同日開幕した選抜高校野球の健大高崎(群馬)対明徳義塾(高知)戦で延長10回両校の投手が完投して130球以上の投球数を記録したためです。
カウンセル監督は、今永の交代時期について「開幕戦の重圧、久々の公式戦、日本へのフライトを考えると、当初から70〜75球のプランだったので、あれが良かったと思っている。我々の決断に後悔はない」と説明しました。
高校野球の130球超えの投球数については「一言、二言では難しい。私の考えでは、投手がどれほどの圧をかけて投げるかによると思う。もしも、本当に集中して100%で130球を投げたらリミットオーバーだと思うし、70%で130球なら投げられるかもしれないので、何とも言えない。投手の多くのケガは1人1人、個々の能力が違い、筋力が違うので、一概に言えないが、投手を預かる身としては、彼らが健康であり続けるためにはどうしたら良いか、常に考えないといけない」と、持論を展開しました。
ロバーツ監督は、報道陣から高校生の球数問題について質問されると「素晴らしい質問をありがとうございます」と感謝した後、持論を展開しました。「メジャーリーグでは出力のレベル、圧の強さは高校生、大学生などアマチュアとはレベルが違って、我々(MLB)の方が高い。昨日の開幕戦は、今永も山本由伸(5回、3安打、1失点、投球数72)もストレスフルなイニングだった。今永は4四球を与えたし、山本も苦しいイニングがあった」と説明。
さらに「私が言えることは、投球数だけで断じることは出来ないということを強調したい。我々は長く、162試合の公式戦を戦う上で必要な投手、その辺りのメンテナンスを考えながら、その日、その日の判断をしている」と述べました。
カブス、ドジャースの両チームの選手は、試合前にテレビで高校野球を興味深く見ていたそうだが、「80球以下で交代」の大リーグと、「130球以上」の高校野球を同じ日に起きたことは、深く考えさせられた一日でした。
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1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。