日本で、米国で、チームを移籍した3投手がオープン戦に初登板し、いずれも1イニング投げて無失点と、まずは順調な実戦スタートをきることが出来ました。

 楽天から巨人に移籍した田中将大(36)は、24日の沖縄セルラー那覇で行われたロッテ戦に先発。味方の一ゴロ失策で先頭打者の出塁を許したものの、ソトをスプリットで遊ゴロ併殺に仕留めると、続く山本は内角球で詰まらせて一飛。テーマの一つだった直球の球速は最速145㌔をマークしました。

 キャンプでは、体の回転を縦にするフォームの見直しにじっくりと時間をかけ、「感覚的な体の使い方や意識は明らかに変わった」そうで、順調にステップを踏みながら、初登板を迎えられたことが、何よりの収穫と言えます。

 中日から、大リーグのナショナルズに移籍した小笠原慎之介(27)は23日(日本時間24日)、フロリダ州ウェストパームビーチで行われたメッツ戦に先発し、先頭から2者連続で強い当たりの中飛。3番ウィンカーには速球を左翼へ運ばれ二塁打とされたが、次打者をチェンジアップで遊ゴロに抑えました。

 投球間の時間を制限するピッチクロックや、サイン交換機器のピッチコムを実戦で初めて経験し、「全てが新しい事だらけ」のマウンドだったが、マルティネス監督は「ストライクを投げて、打者と勝負していたのは期待通り」と評価していました。

 オリオールズからマイナー契約の招待選手としてマリナーズのキャンプに参加中の藤浪晋太郎(30)は、アリゾナ州ピオリアで同日行われたダイヤモンドバックス戦に5番手で登板し、最初の打者をスプリットで三振。二死後に四球を与えたが、次打者を三振に仕留めました。最速は158㌔をマークしました。

 藤浪は「テーマはストライクゾーンにアタックすること。終始それに集中した。試合になると力みも出るが、もっともっとやれる気がする」と、手応えを口にしました。

 3投手とも、昨季は不本意な成績に終わったが、新天地で名誉挽回を期そうと臨んだ初戦で、まずは結果を残せました。まだまだ今季一軍で、或いはメジャーで投げられるまでの保証は無いが、それをつかむには、今後も好結果を残すしかありません。

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 1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。