日本高校野球連盟(高野連)はこのほど、今秋に滋賀県で開催される国民スポーツ大会(国スポ)の高校野球硬式、軟式大会で7イニング(回)制を導入すると発表しました。

 全国大会の一つである国スポは、出場8校が休養日を含む4日間で決勝まで戦う過密日程で行われます。天候不良が重なった場合でも全日程を消化する可能性を高め、秋季大会と日程が重なっている高校生の健康面にも配慮することを理由に、同大会での導入が決まりました。

 高野連は、選手の障害予防などへの効果を期待し、昨年6月から7回制に関する議論を重ねてきました。6月には「高校野球7イニング制に関するワーキンググループ(WG)」を発足し、これまで4度開催。

 今年1月からは「7イニング制等高校野球の諸課題検討会議」を新たに始動。同会議は、12月開催予定の理事会で、7回制導入に関する対応策の提出を目指しています。

 このように7回制の導入の可否は、今年中結論を出す方向で議論が進めれています。その重要な判断材料の一つとなる「熱中症対策」への効果は、国スポが9月開催のため検証が難しい状況だが、高野連の井本亘事務局長は「7回制は暑さ対策のために導入すると思われているが、高校野球を取り巻く環境の中で検討していることで、そこだけ着目しているわけではない」と説明しました。

 国スポでの導入は「どこかで7回制に取り組む方法がないかを模索していた。検討会議の資料にしたい」としました。

 果たして、春、夏の甲子園での全国大会や、その予選で「7回制」が導入されるのか、今後の動向を注目していきたいと思います。

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 1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。