米大リーグは20日(日本時間21日)、オープン戦が始まり、ドジャース対カブス戦がアリゾナ州グレンデールで行われました。この中で、ストライク、ボールを自動で判定する「オートメイテッド・ボール・ストライク」(ABS)システムが初めて試験導入されました。

 ABSとは、ストライク・ボール判定を球場内に設置された機械が自動で判定するシステム。プレーごとの判定は通常通りに球審が行うが、投手、捕手、打者のみが「チャレンジ」を要求することが可能となり、投球後に帽子やヘルメットを触るのが合図となり、この後、機械で自動判定されます。各チーム1試合に2度までの要求が認められ、判定が覆った場合は、回数が減らないという形式になります。アリゾナ州とフロリダ州で行われるオープン戦のうち、13球場で試験導入されます。

 この試合の一回、カブスの先発ポティートがマンシーの2球目に投げた内角低目の速球を球審が「ボール」と判定すると、ポティートが「チャレンジ」を初めて要求。数秒の中断の後、ABSにより判定が「ストライク」に覆りました。

 八回にもカブスがABSチャレンジを試み、8番手投手のスカルソJrがマクレーンと対戦した場面で、3球目に内角高めにスイーパーを投げると、球審は「ボール」と判定。捕手のアリエントが「チャレンジ」を要求したが、判定は覆りませんでした。

 野球は1800年代の誕生以来、球審が「ストライク」、「ボール」を判定してきたが、これを巡って多くの論争や騒動が起こってきました。米大リーグ機構(MLB)では「MLBにとって非常に大きな決定であり、多くの人の意見を聞きたい」とコメントしました。

 今季のレギュラーシーズンで導入されることはないが、オープン戦の結果によっては、「チャレンジ」の際のABS導入だけでなく、通常の「ストライク」、「ボール」も近い将来、ABSで判定される時代がやってくる気がします。

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 1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。