日本高校野球連盟は7日運営委員会を開き、今夏の第107回全国高校野球選手権大会(8月5日開幕、甲子園球場)で、暑さ対策として、開会式を午後4時から行うと発表しました。開幕日は1試合のみで、同5時半から実施します。開会式を夕方に行うのは初めて。また、朝夕に分けて試合を行う「2部制」の対象試合を昨年から10試合増やして19試合とすることも決めました。

 夕方の開会式は、猛暑対策と、午前に開会式が行われると開幕日の夕方に行われる試合に出場する選手が早朝から長時間活動せざるを得ず、選手の負担が大きく増すことを回避するためです。また、昨年の大会では、「2部制」は1日3試合実施の日3日間限定で導入されたが、今年は4試合日の大会第2、3日と第5、6日の4日間で行うことに決めました。

 これは、昨年は開幕日に「2部制」を初めて実施したが、第1試合が午前10時過ぎから開始され、休憩を挟んで第2試合は午後4時、第3試合は同6時52分から始まり、延長戦となって終了は史上最も遅い同9時36分でした。

 この試合に出場した選手は早朝に起床して開会式に参加した後、再び夕方から夜遅くまで試合に出場せざるを得ない状況でした。こうした反省を踏まえ、選手の活動時間を短縮して負担軽減を図ろうと、開会式の夕方開催と「2部制」の10試合増を決めました。

 4試合の日に「2部制」を実施することについては、昨年、3試合の日に行って一定の効果があったことを踏まえ、今年は4試合の日に行ってさらなる手応えを感じられれば、他の日も「2部制」で行えるように進める方向を示しています。

 具体的には、第1試合を午前8時開始。第2試合は同10時半に開始し、午後1時45分を過ぎた場合は試合を中断し、翌日以降に打ち切った時点から再開する「継続試合」を適用します。第2試合終了後、いったん観客に退場してもらった後、再び開門し、第3試合を午後4時15分から、第4試合は同6時45分から開始の予定です。なお、2日目と3日目の第2試合が「継続試合」となった場合や天候不順などの場合に備えて、4日目は午前の2試合のみを予定しています。

 夏の甲子園は、選手の健康対策だけでなく、1日中観戦する熱心なファンも多く、観客の猛暑対策からも、こうした新たな試みは歓迎したいところです。

    ◇◇◇◇

 1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。