世界の本塁打王、王貞治・ソフトバンク球団会長は20日、プロ、アマの球界関係者と議論を重ねて温めてきた振興プラン「BEYOND OH PROJECT(ビヨンド OH プロジェクト)を記者会見で発表しました。
王会長は6月以降、日本野球機構(NPB)や12球団のほか、日本学生野球協会などアマ側の統括団体を含む20を超える団体の約60人と協議を重ねてきました。目指すところは、王会長や大谷翔平(ドジャース)に続く世界的スターを輩出する環境づくりを進め、野球が国民的スポーツとして末永く愛されることを掲げました。
王会長は会見の冒頭、国内の人口減少やサッカーやバスケットボールなど同じプロスポーツの人気が多様化する状況を踏まえ、「30年、50年、100年先、野球がスポーツの中で一番のままでありうるかわからない」と危機感を表しました。
大谷は昨冬、日本国内の小学校向けにジュニア用グラブ計6万個を寄贈したが、これに続く活動として、王会長は「ボールも配り、指導者も派遣し、全国の高校や大学などのグラウンドを開放して野球に親しむ環境づくりを進めるなど、それぞれのプランを具体化させていく」方針を示しました。
日本野球連盟の谷田部和彦専務理事は「王さんの将来への危機感は共有するところ」とし、日本高校野球連盟の宝馨会長は「アマ野球界はいくつも団体があり、プロと連携がうまくいっているところと、そうでないところがある。王さんの動きは良い話で、いい方向に進んで欲しい」と話しています。
全日本野球協会の山中正竹会長は「昨年のWBC優勝などで野球界が盛り上がっている今こそ、未来を見据えてプロ、アマ、全ての組織が力を合わせることが大事だ」としています。
王会長は「子供たちの中で、野球が一番楽しいと思ってほしい。そのために我々が立ち上がり、将来に向かって話し合うべきだ」と述べました。
王会長が示す野球振興策が、将来の子どもたちのために役立ってほしいものです。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。