プロ野球12球団の選手の内、海外フリーエージェント(FA)権を取得していない選手が米大リーグ移籍を目指す際に利用するポスティングシステムの申請が1日、始まりました。申請期間は12月15日までです。国内手続きが完了し、米大リーグ機構(MLB)が全30球団に獲得可能選手として公示した後、45日間が交渉期間となります。昨季は山本由伸投手(オリックス→ドジャース)や今永昇太投手(DeNA→カブス)らがこの制度を使って移籍しました。

 これまでに、小笠原慎之介投手(中日)がこのシステムによる米球界への移籍を目指すことを表明しているが、注目されるのは、佐々木朗希投手(ロッテ)の動向です。このシステムを利用するには球団の承認が必要で、ロッテは話し合いの場を設ける方針を示しています。

 佐々木の場合、問題になるのは「25歳ルール」。これは、25歳未満の場合はマイナー契約に限定されたうえ、譲渡金が1~2億円程度になってしまい、球団のメリット少なくなります。「25歳ルール」をクリアしてドジャースに移籍した山本の場合は、オリックスに70億円以上の譲渡金が入ったため、2001年11月3日生まれの佐々木が「25歳ルール」が適用されるまで、ロッテが待つことも考えられます。

 しかし、大谷翔平選手(ドジャース)が大リーグで移籍した時は23歳で、「25歳ルール」をクリアしないで移籍したように、佐々木の移籍の可能性がゼロではありません。大谷の場合、契約金が低額で、マイナー契約しか締結できないことから、資金力に関係なく多くの球団が獲得を目指した経緯がありました。

 佐々木は大谷のような形になるのか、山本のように「25歳ルール」の適用を待つのか、注目されます。

 このほか、菅野智之投手(巨人)は、2020年のオフにポスティングシステムによる移籍を目指したが合意に至らず、今オフは海外FA権を取得しての大リーグ移籍を目指しています。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。