米大リーグワールドシリーズ(WS)・ヤンキース対ドジャース第3戦が28日(日本時間29日)、舞台をロサンゼルスのドジャースタジアムから、ニューヨークのヤンキースタジアムに移して行われました。本拠地で連勝したドジャースはフリーマンの3試合連続本塁打などでヤンキースを4-2で破り、4年ぶり8度目のワールドチャンピオンに王手をかけました。

 第2戦で左肩を亜脱臼し、出場が危ぶまれたドジャースの大谷翔平は、回復が早く「1番、DH」で出場。一回、四球で出塁すると、一死後、フリーマンがカウント1-2から内角高めのカットボールを振り抜き、右翼席に3試合連続本塁打を放ちました。

 フリーマンは第1戦で延長十回にWS史上初の逆転満塁サヨナラ本塁打。第2戦ではT・ヘルナンデスと2者連続本塁打を放って、連勝に貢献。これで、ブレーブス時代の2021年WSを含め、5試合連続本塁打をマーク。17年、19年にかけて記録したアストロズのG・スプリンガー(現ブルージェイズ)に並ぶメジャータイ記録となりました。

 ドジャースは投手陣も踏ん張りました。先発のビューラーは投球回5、被安打2,奪三振5、与四球2、無失点。レギュラーシーズンでは1勝止まり(6敗)の投手が、大舞台で今季最高の投球を見せました。

 六回以降は細かい継投を見せ、グラテオル、ベシア、ハドソン、バンダ、ブレイシアとつないで八回まで無失点に抑えました。ヤンキースも九回二死二塁からバードゥーゴがコペックから2ランを打ち2点返したが、反撃もここまででした。大谷は3打数無安打でした。

 ドジャースは3連勝でワールドチャンピオンに王手を掛け、ヤンキースは3連敗で後がなくなりました。日本シリーズでは「3連敗、4連勝」で日本一になったチームは1958年の西鉄(対巨人)、86年の西武(対広島)、89年の巨人(対近鉄)と3度あるが、ワールドシリーズでは、120年を超える歴史で「3連敗、4連勝」のケースは1度もありません。

 2004年のア・リーグの優勝決定シリーズでレッドソックスが対ヤンキース戦での「3連敗、4連勝」が、ポストシーズンで1度あるだけです。

 その意味で、ドジャースのV確率は100%だが、果たしてドジャースが第4戦で一気に決着を付けるのか、それとも最終回に粘りを見せた過去27度世界一のヤンキースが巻き返すかーー。注目の第4戦となりました。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。