10月24日のプロ野球ドラフト会議を前に、指名対象となるためのプロ志望届の提出が10日締め切られ、高校生159人、大学生162人の合計321人が届け出を行いました。高校生は前年比20人増、大学生は10人減。高校生は前年まで3年連続減少していたが、増加に転じました。

 大学生は、日本代表「侍ジャパン」のトップチームに選ばれた選手に注目が集まります。

 野手では、まずヒットメーカーで遊撃の守備にも定評がある宗山塁内野手(明大)。1年春から遊撃の定位置をつかみ、2年春に首位打者を獲得。3年まで東京六大学リーグ通算70試合に出場して打率3割4分8厘、8本塁打、44打点をマークしました。

 もう一人は、強肩強打の西川史礁外野手(青学大)。右の長距離打者であるとともに、打撃に柔軟さがあり、外野の守備も強肩を武器に守備範囲が広く、三拍子そろった好選手です。

 話題性では、西武や巨人などで活躍した清原和博の長男、正吾内野手(慶大)が挙げられます。中学ではバレーボール部、高校ではアメフト部に入り、本格的に野球を始めたのは大学に入ってからというキャリも異色の存在です。1㍍86、90㌔という父親譲りの恵まれた体格の打者を指名する球団があるか、にも興味が引かれます。

 投手では、本格派左腕の金丸夢斗(関大)が最初に挙げられます。1年秋からリーグ戦に登板し、2年春、3年秋に防御率1位、2年秋と3年秋にMVPなど、多くのタイトルを獲得しました。。最速154㌔左腕はどの球団も欲しい存在で、複数球団の競合が予想されます。右腕の中村優斗(愛知工大)は最速159㌔を誇るアマ球界屈指の本格派で、3年春から3季連続最多奪三振王に輝いています。

 高校生は、U-18(18歳以下)アジア選手権に出場した報徳学園(兵庫)の今朝丸裕喜投手。大学日本代表との壮行試合で2回無安打無失点の好投を披露し、居並ぶプロのスカウトをうならせました。野手では花崎徳栄(埼玉)の石塚裕惺内野手の評価が高く、U-18の4番として、チームを引っ張りました。

 悲喜こもごものドラフト会議。今年はどんなドラマが見られるか、運命の日は2週間弱に迫ってきました。 

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。