セ・リーグは6日、全日程が終了し、個人タイトル12部門が決まりました。

 特徴は、本塁打(33)と打点(86)がヤクルトの村上宗隆(24)、最多安打(163)がヤクルトの長岡秀樹(23)、防御率(1.38)が中日の高橋宏斗(22)、奪三振(156)が巨人の戸郷翔征(24)、ホールドポイント(43)は中日の松山晋也(24)と阪神の桐敷拓馬(25)と、半分の6部門のタイトルホルダーが25歳以下という若手が占めたことです。

 2022年に史上最年少の22歳で三冠王に輝いた村上は、本塁打王が2年ぶり3回目、打点王は2年ぶり2回目。本人は「三冠王を目標にやっていたので、打率が(2割4分4厘)が思い描いた数字ではなかったが、諦めず二つ捕れたのは、結果として良かった」。来季は3年契約の最終年で、球団はオフにポスティングシステムを利用した大リーグ挑戦を認めています。

 最多安打の5年目長岡は「僕よりキャリアも技術も上の方々と競えたことは光栄。今年だけじゃなく、これからもずっと、そこに入っていけるような選手になりたい」と、喜びを表していました。

 最優秀防御率の高橋は、初めてのタイトル獲得だったが、1954年の杉下茂が記録した1.39を上回り、70年ぶりに球団記録を更新しました。また、セ・リーグ史上初の「最下位球団で最優秀防御率」投手ともなりました。ちなみにパ・リーグは2019年の山本由伸(当時オリックス、現ドジャース)など5投手が記録しています。

 最多奪三振の戸郷は2年ぶり2回目で「普段から三振を取りたいタイプなので、2年ぶりに取れたことはすごく自信になる。クライマックスシリーズに向けてもいい弾みになりました」と、前向きに話していました。

 最優秀中継ぎ(ホールドポイント)を獲得したのは、育成出身の2年目松山と、3年目の桐敷。いずれも初となるタイトルを分け合いました。

 このほかのタイトルは、打率(.316)はDeNAのオースティン(33)、盗塁(19)は阪神の近本光司(29)、出塁率(.399)はヤクルトのサンタナ(32)、勝利(15)と勝率(.833)は巨人の菅野智之(34)、セーブ(43)は中日のマルティネス(27)。

 若手の台頭は、「投打のレベルとプロ野球人気」を高めるには、最高の結果になったと思います。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。