大リーグのレッズなどでプレーし、メジャー歴代最多の4256安打をマークしたピート・ローズが9月30日に83歳で死去しました。
1941年、米オハイオ州シンシナティ生まれ。スイッチヒッターの巧打の選手で、地元のレッズでデビューした63年にナ・リーグの新人王に輝いたほか、首位打者には3度、73年には最優秀選手(MVP)も手にしました。85年には「球聖」と呼ばれたタイ・カッブの通算安打記録4191安打を塗り替え、86年に引退。
しかし、レッズ監督時代の89年に野球賭博に関与したとして永久追放処分を受け、野球殿堂入りは果たせないまま永眠したが、2016年にイチロー(当時マリナーズ)が日米通算で4257安打をマークし、ローズの大リーグ記録を超えた時に、日米で再び注目を集めました。
シーズン200安打を10度、最多安打を7度達成しただけに、イチローの「4257安打」達成(最終的に4367安打)の時は「日米合算に意味はない。次は高校時代の安打数も合計するのか」と、否定的な発言を繰り返したのは、自負の表れでもあったのだと推測されます。
負のイメージがつきまとう野球人だったが、現役時代は常にヘッドスライディングを心掛ける全力プレーで勝利にまい進した「チャーリー・ハッスル」は、地元シンシナティを中心に絶大な人気を誇りました。
大リーグで4000安打以上を記録したのはタイ・カッブとピート・ローズのみで、2015年にレッズの本拠地で開催されたオールスター戦前のセレモニーにピート・ローズが登場すると、割れんばかりの大声援に包まれました。
1978年にの日米野球で来日した時のプレーを球場で見たことがあるが、バットを寝かせるフォームで最短距離で安打を放つ打撃スタイルは、パワーヒッティングの大リーガーというより、日本の選手にも学ぶ点の多い打撃だった印象が強く残りました。
それだけに「野球賭博疑惑」の汚名を晴らすことなく死去したことは残念で仕方ないが、ピート・ローズの打撃とハッスルプレーは野球ファンの脳裏に永遠に残ることでしょう。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。