日米通算歴代5位の2723安打を放っているヤクルトの青木宣親外野手(42)が13日、今季限りでの現役引退を表明しました。10月2日の広島戦(神宮)が引退試合となります。

 決して「野球エリート」とは言えない経歴でした。宮崎・日向高校では甲子園出場経験はなく、早大では同期の鳥谷敬(阪神、ロッテ)の陰に隠れ、ヤクルト入団はドラフト4巡目。

 それでも地道な努力と卓越したバット操作で、入団2年目の2005年に打率3割4分4厘で首位打者と、202安打で最多安打のタイトルを獲得。その後、06年に192安打で最多安打、07年は3割4分6厘で首位打者、10年は3割5分8厘で首位打者に輝きました。

 12年~17年の6シーズンは、大リーグの7チームでプレーし、ロイヤルズ時代の14年にはワールドシリーズに出場。18年のヤクルト復帰後は、チームリーダーとして21年の日本一に貢献しました。

 「日米通算安打歴代10傑」は、①イチロー(オリックス、マリナーズなど)4367安打②張本勲(東映など)3085安打③野村克也(南海など)2901安打④王貞治(巨人)2786安打⑤青木宣親2723安打⑥松井稼頭央(西武、メッツなど)2705安打⑦松井秀喜(巨人、ヤンキースなど)2643安打⑧門田博光(南海など)2566安打⑨衣笠祥雄(広島)、福本豊(阪急)2543安打。

 イチローをはじめ4人が「日米でプレー」したのに対し、張本ら6人は「日本のプロ野球のみ」での実績となります。

 青木の引退で、現役最多安打打者となるのは、坂本勇人(巨人)の2405安打で、次いで栗山巧(西武)の2146安打、大島洋平(中日)の2044安打となります。

 ちなみに、前人未到の「500安打、500盗塁」目前の大谷翔平(ドジャース)は、日米通算1143安打(日本296安打、米国847安打)、大谷と同期の鈴木誠也(カブス)は1315安打(日本937安打、米国378安打)、吉田正尚(レッドソックス)は1137安打(日本884安打、米国253安打)となっています。

 青木は「ワールドシリーズに出たことも、WBCで優勝したことも印象に残っているが、ヤクルトで日本一になったことが、一番心に残っている」と、野球人生締めくくりの言葉を残しました。21年間お疲れ様でした。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。