中日の高橋宏斗投手(22)が、とてつもない記録に挑んでいます。

 高橋は、27日の広島戦(バンテリンドーム)に先発し、7回を投げ被安打4、奪三振6、与四球2、失点1の好投で、今季11勝目(2敗)を挙げ、防御率は0.98と、シーズン残り25試合で、なお防御率0点台を維持しています。このまま0点台でシーズンを終えれば、1970年に村山実(阪神)が0.98をマークして以来の54年ぶりの大記録を達成できます。

 さらに、高橋はここまで被本塁打はゼロ。規定投球回をクリアして被本塁打ゼロだった投手は、2リーグ分立の50年以降、まだ1人も出ていません。規定投球回に達した投手の中で、被本塁打のシーズン最少は、56年の稲尾和久(西鉄)、2012年のブライアン・ウルフ(日本ハム)、23年の山本由伸(オリックス、現ドジャース)の2本です。

 高橋は愛知県尾張旭市出身。中京大中京高校を経て中日にドラフト1位で入団。23年はWBCに最年少で選出され、世界一に貢献しました。

 今季は、投球フォームの変更にチャレンジしたが、キャンプで思うように調整が進まず、まさかの開幕二軍スタートとなりました。一軍登録は4月28日と出遅れたが、その後は相手打者をねじ伏せる投球を続けました。特に7月は4登板で4勝無敗、32回を投げて39奪三振で無失点でした。

 ロッテの佐々木朗希投手は1歳年上だが、22年4月19日のオリックス戦で13者連続奪三振、毎回の19奪三振で史上最年少の完全試合を達成した「怪物」と比較される高橋。

 このまま、防御率0点台、被本塁打ゼロという快挙を成し遂げることができるか、注目されます。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。