首位広島を追う2位巨人と3位阪神の伝統の一戦が14日、東京ドームで行われ、巨人の浅野翔吾がプロ初の満塁本塁打を放ち、戸郷翔征の2試合連続完封の快投もあって、4-0で阪神に快勝しました。
エリエ・ヘルナンデスの左手骨折というアクシデントで、急遽、二軍から呼ばれた浅野。高松商(香川)から入団したプロ2年目で、今季は開幕一軍を果たしたものの、3試合出場して9打数無安打に終わり、阿部慎之助監督からファーム降格を言い渡されました。
この日は「8番、右翼」で出場し、両チーム無得点で迎えた四回、二死満塁で第2打席が回ってきました。カウント1-1からの3球目、及川雅貴の129㌔のスライダーを振り抜くと、打球は左翼席に吸い込まれました。
プロ2本目となる今季1号は、東京ドームでの初本塁打となり、4月6日のDeNA戦以来4か月ぶりのスタメン出場で結果を出すことができました。
二軍行きを言われた時、阿部監督から「真っすぐしか打てないと思われているから、ファームでは変化球を打てるようにしてこい」と指示されました。二軍ではこれを心掛け、8月のイースタン・リーグの打率は4割7分6厘と絶好調で、満塁本塁打につながりました。
19歳8か月の浅野がプロ入り初の満塁本塁打を放ったが、10代で満塁弾を打ったのは、2019年7月3日の村上宗隆(ヤクルト)以来、16人、18本目。セ・リーグでは6人、7本目。巨人では08年4月6日に19歳3か月で放った坂本勇人に次いで2人目。王貞治の初満塁弾は20歳3か月、松井秀喜は21歳0か月で、2人は10代のうちには打てませんでした。
浅野はスコア0-0からの一発で、これがV打点。セ・リーグで10代の「満塁Vアーチ」は13年8月1日の高橋周平(中日)に次いで2人目となりました。
若手の突き上げでチームの戦力が底上げすれば、巨人の首位奪回は近付くでしょう。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。