「3割打者」はプロ野球選手にとっては勲章。しかし、今季は11日現在、セ、パ両リーグとも、3割打者は1人しかいない寂しい成績となっています。
セ・リーグの打率1位はドミンゴ・サンタナ(ヤクルト)の3割9厘で、2位は2割9分4厘の山本祐大(DeNA)。パ・リーグは1位が近藤健介(ソフトバンク)の3割2分1厘で、2位は佐藤都志也(ロッテ)の2割9分6厘となっています。
これまでも、規定打席に到達の3割打者が1人だけというシーズンが、2リーグ制以降、4回ありました。
1959年=首位打者・長嶋茂雄(巨人)3割3分4厘、2位・飯田徳治(国鉄)2割9分6厘
1962年=首位打者・森永勝治(広島)3割9厘、2位・近藤和彦(大洋)2割9分
1970年=首位打者・王貞治(巨人)3割2分5厘、2位・安藤統夫(阪神)2割9分4厘
1971年=長嶋茂雄(巨人)3割2分、2位・衣笠祥雄(広島)2割8分5厘
いずれもセ・リーグで、この4回のシーズンの20勝投手を見ると、59年4人、62年8人、70年3人。71年はゼロだったが、多くの好投手がいたことが、3割打者が少なった理由と言えます。
逆に3割打者が15人以上も出たシーズンを見ていくと、セ・リーグは78年15人、84年16人、85年17人、96年16人、2004年21人、05年16人、08年15人と7シーズンにも上ります。パ・リーグは2003年19人、04年15人の2シーズンだけです。
打者は「打撃10傑」に入ることも目標とするが、2004年のセ・リーグは「打撃10傑」に入らない「3割打者」が11人もいたことになります。
今季は本塁打も20本以上打っているのがセ・リーグはは村上宗隆(ヤクルト)の21本1人だけ、パ・リーグも山川穂高(ソフトバンク)の22本の1人だけで、本塁打王争いは40本以下になりそうです。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。