甲子園球場の開場100年目の今年、100年前にも出場した早稲田実業(西東京)が、第106回全国高校野球選手権大会第5日の11日、1回戦の鳴門渦潮(徳島)戦に登場しました。今大会出場校中、早実が唯一の100年前の参加校です。
試合では、今大会注目のスラッガーである早実の宇野真仁朗が、2点を追う二回二死満塁で打席に入り、木製バットで低めの変化球を捉えると、打球は左翼フェンス直撃の走者一掃の逆転二塁打となりました。
宇野は、高校通算本塁打が60本を超え、西東京大会でも木製バットで2本塁打を記録していました。
宇野の活躍で、早実は8−4で勝利を収め、2回戦に進みました。
実は、宇野の二塁打は、昨年までの金属バットならスタンドに入リ、今大会第1号となる当たりでした。この「飛ばない金属バットが」が導入された今春の選抜高校野球大会では、本塁打はわずか計3本(うち1本はランニング本塁打)にとどまり、金属バットが選抜高校野球大会に導入された1975年以降(夏の大会は1974年導入)、最少でした。
今大会も春と同様、本塁打が極端に少なく、早実の試合までの14試合を終えて、本塁打はゼロです。ここまで大会第1号本塁打が出ないのは1978年以来46年ぶりで、この年は9試合目に福井商(福井)の坪田良造が第1号を打ちました。
さらに遅かったのは1964年で、大会第1号が出たのが17試合目で、北海(北海道)の高屋敷日出夫が第1号を打ちました。
宇野が木製バットを使うのも、飛距離の出ない金属バットなら、球を打つ時の感触が良く、打球音も良い(大谷翔平の本塁打音でお馴染み)木製バットの方が良いということで使用しているのでしょう。
宇野に限らず、木製バットを使う選手が増える気がします。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。