春夏の高校野球全国大会の会場として、またプロ野球・阪神タイガースの本拠地として歴史を刻んできた甲子園球場が1日、開場から100周年を迎え、記念式典が行われました。

 1924年8月1日に「甲子園大運動場」として誕生。開場直後に全国中等学校野球大会(現在の夏の全国高校野球選手権)の開催地となり、翌年から選抜大会も実施されました。

 24年12月には、コンクリートのみの殺風景な外壁を飾るためにツタが植えられ、現在も球場のシンボルとなっています。

 29年にはスタンドの一部を木造から鉄筋コンクリートに改装し、後に「アルプススタンド」と呼ばれるようになりました。

 34年にはベーブ・ルースらが参加する米国選抜チームが、全日本チームと試合を行いました。

 35年には創設された「大阪野球倶楽部」(現在の阪神タイガース)の本拠地となりました。

 38年1月には外野スタンドに木造のやぐら設営し、雪を運んでスキージャンプ大会を開催しました。

 43年には内野からアルプススタンドまで覆っていた「大鉄傘」と呼ばれていた屋根が戦争による金属供出のため取り外され、グラウンドはトラック置き場となるなど、軍需施設となりました。

 47年1月にグラウンドとスタンドの進駐軍による接収が解除され、3月から戦争で中断していた現在のセンバツ高校野球が再開(46年夏の大会は西宮球場で開催)されました。

 51年には取り外されていた屋根が復活し、「銀傘」と呼ばれるようになりました。

 56年にはナイター設備が完成し、5月には初のナイトゲームが開催されました。

 84年には三代目のスコアボードが完成し、電光掲示に変わりました。

 95年1月に阪神・淡路大震災が発生。アルプススタンドに亀裂が入るなどの被害があったが、3月にはセンバツ高校野球が開催されました。

 2007年からは大規模なリニューアル工事を着工し、「銀傘」の架け替えやスタンドの改装などが行われ、球場全体が大きく生まれ変わりました。

 こうして100年目を迎えた1日の記念式典では、早稲田実業(東京)で1年夏から3年夏まで5季連続で甲子園に出場した元ヤクルトの荒木大輔さんや、阪神タイガースOBで1985年日本一監督となった吉田義男さん、2度の三冠王に輝いたランディ・バースさんらがゲストで登場。

 式典後に開催された阪神―巨人の伝統の一戦では、阪神が9-2で巨人に勝ち、阪神ファンから大喝采を受けました。

 7日からは夏の全国高校野球選手権も始まり、高校野球、プロ野球を問わず「野球の聖地」として新たな一世紀を迎えた甲子園球場には、今後も多くの野球ファンが集うことになります――。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。