第106回全国高校野球選手権の代表49校が30日、決定しました。甲子園開場100周年となる記念の大会で、注目される選手を見ていきたいと思います。

 投手では、報徳学園(兵庫)の今朝丸裕喜(3年)。187㌢、77㌔の長身から投げ下ろす角度のある150㌔超のストレートが最大の武器。制球力もあり、スライダーやフォークといった変化球も一級品。今春のセンバツでは、準々決勝で大阪桐蔭(大阪)に9回5安打1失点で完投勝利を収めるなど、2年連続チームを準優勝に導く投球が光り、夏は春を上回る頂点を目指して投げ抜く覚悟です。

 捕手では、健大高崎(群馬)の箱山遥人(3年)。「捕手、4番、主将」というチームの中心選手として選抜優勝へと導きました。U-18日本代表候補強化合宿では、木製バットで本塁打を放つなど、長打力と、強肩が魅力。春夏甲子園連覇を果たし、高校生捕手ナンバー1の評価を確かなものにする気概を見せています。

 野手では、早稲田実業(西東京)の宇野真仁朗(3年)と、花崎徳栄(埼玉)の石塚裕惺(3年)。

 宇野は、小学、中学で日本代表の経験があります。高校通算64本塁打のパワーが持ち味で、西東京予選準々決勝の国学院久我山戦では木製バットで満塁本塁打を放ちました。早実では一年春から二塁手のレギュラーとなり、その後、遊撃手、三塁手と内野ならどのポジションも務める器用さもあります。

 石塚は、今夏の県大会決勝の昌平戦で3打点と、チームを甲子園に導く立役者となりました。二年春から遊撃手に定着し、高校通算24本塁打の長打力が魅力で、U-18代表候補に選出されました。「打って、守って、走れる」万能選手の評価が定着し、2017年以来の全国制覇を狙っています。

 組み合わせ抽選会は8月4日、開幕は同7日だが、100周年を迎える甲子園の頂点に立つのはどのチームで、どんな選手が新たなヒーローになるか、興味は尽きません。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。