米大リーグのナ・リーグでは、ドジャースの大谷翔平(30)と、ブレーブスのマーセル・オズナ(33)との三冠王争いが熱を帯びています。

 オズナは27日(日本時間28日)、敵地で行われたメッツ戦に「3番、DH」で出場し、四回に先制の30号本塁打を放ち、リーグトップの大谷に1本差に迫りました。オズナは2戦連発で、40本塁打をマークした昨年に続いて2年連続30本塁打を記録しました。

 一方、大谷は27日のアストロズ戦に「1番、DH」で出場し、三回の第2打席で打球速度191㌔、飛距離135㍍の弾丸ライナーの本塁打を右翼席最上段に運ぶ2試合ぶりの32号本塁打を放ち、再びオズナとの差を2本としました。さらに六回の第4打席では左前適時打を打ち、今季5度目の3試合連続マルチ安打を記録しました。

 大谷はこの日、3打数2安打2打点1本塁打1盗塁で、打率3割1分8厘、32本塁打、76打点。

 オズナは4打数1安打1打点1本塁打で、打率3割7厘、30本塁打、82打点。

 ナ・リーグの打撃3部門のトップ3は、打率が①大谷3割1分8厘②アラエス(パドレス)3割8厘③オズナ3割7厘。本塁打は①大谷32本②オズナ30本③ハーパー(フィリーズ)24本。打点は①オズナ82打点②大谷76打点③ボーム(フィリーズ)71打点。

 この数字を見てわかる通り、大谷とオズナ両選手とも三冠王の可能性があります。逆に言うと、2人以外の選手は「三冠王」の確率は「ほぼゼロ」と言えます。

 ドジャースは西地区で2位パドレスに5.5ゲーム差の首位、ブレーブスは東地区で首位フィリーズに9.5ゲーム差の2位で、ともにプレーオフの戦いに参戦する可能性は十分。リーグ優勝、ワールドシリーズでの世界一を目指す中での三冠王争いは、興味が尽きません。

 大谷は「三冠王争い」以外にも、この日の盗塁成功で自己最多に並ぶ26盗塁を決め、「40本塁打、40盗塁」や「3割、30本塁打、30盗塁」など多くの偉大な記録に到達の可能性があります。さて、大谷が手にする偉大な記録はいくつあるでしょう――。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。