プロ野球のセ・リーグが大混戦になっています。15日、首位巨人と2位広島が敗れ、3位DeNAと4位阪神が勝ったため、首位から4位までゲーム差が0.5となり、5位中日も5.5ゲーム差、6位ヤクルトも9.0ゲーム差で巨人を追っています。

 そこで歴代プロ野球の大接戦のシーズンを調べてみました。

 1973年のセ・リーグは、優勝した巨人と2位阪神のゲーム差が0.5、以下巨人とのゲーム差は3位中日が1.5、4位ヤクルト4.5、5位大洋5.0、6位広島6.5と、1位~6位まで6.5のゲーム差にひしめく大混戦でした。

 優勝は10月22日、甲子園で行われた阪神対巨人の最終戦までもつれ込み、「勝った方が優勝」という設定に。しかし、巨人が初回に2点先制すると、その後も得点を重ねて9-0の圧勝。このため、先発の高橋一三が最後の打者を三振に仕留めたと同時に、怒る阪神ファンがグラウンドに乱入。阪神ナインは気配を察知して試合終了と同時にベンチから退散して難を逃れたが、酔客たちは巨人ベンチに襲い掛かりました。このため、優勝の胴上げもできなくなりました。

 94年のセ・リーグは優勝した巨人と2位中日のゲーム差が1.0、以下巨人とのゲーム差は3位広島が4.0、4位ヤクルト、阪神が8.0、6位横浜9.0で、1位~6位まで9.0ゲーム差の接戦でした。

 このシーズンも10月8日にナゴヤ球場で行われた中日対巨人の最終戦が優勝決定戦となりました。巨人の長嶋茂雄監督が「国民的行事」と語ったように、日本中の注目を集め、プロ野球中継史上最高の視聴率48.8%、瞬間最高視聴率67%の数字を残しました。この日は「73年暴動の再来」を警戒して愛知県警も厳戒態勢を敷いたため、長嶋監督の胴上げは実現しました。

 パ・リーグで最もゲーム差が小さかったのが98年シーズン。優勝した西武と2位日本ハムのゲーム差が3.5、以下西武とのゲーム差は3位オリックスとダイエーが4.5、5位近鉄5.0、6位ロッテ9.5と、1位~6位が9.5ゲーム差の競り合いでした。

 今季のセ・リーグは、今後、どんな展開となるか、注目していきたいと思います。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。