ドジャースの大谷翔平は6日(日本時間7日)、ドジャースタジアムで行われたブリュワーズ戦に「1番、DH」で出場。6打席連続三振を喫した前日までの打撃を反省し、この日はボールをしっかり見極めました。その結果、四死球で3打席連続出塁の後、「16打席ぶりの安打」となる右中間三塁打、さらに28号本塁打を打つことが出来ました。
世界のホームラン王の王貞治・ソフトバンク会長は、本塁打を打つ極意として、「バットを強く振れる身体」と「ボールの見極め」だと、巨人の監督時代に語ったのを伺ったことがあります。
選球眼を良くするには「ボールを長く見ること。そのためには、スイングする時に手が先に行って、頭を残すこと。つまり、頭が残って、手が振れて、ヘッドが走る。不調の時は、よりそうすることを意識した」と話していました。
この日の大谷は、まさにのこの言葉通りの「ボールの見極め」が完璧だったように見えました。
一回、右腕ペラルタに対し、ストライクは積極的に打ちにいき、ボール球は見極めて、フルカウントから四球を選びました。二回、二死走者なしの場面ではカウント1-2から左足つま先付近に死球を受け出塁。四回、一死一、二塁の場面では、フルカウントから外角の厳しいコースの球を見極め、四球を選びました。
こうして迎えた六回、二死走者なしの第4打席で、2番手の右腕ウィルソンがカウント1-2から投げたカットボールを打ち、右中間フェンス直撃の三塁打となりました。芯ではなかったため、本塁打とは成らなかったが、実に16打席ぶりの安打でした。
さらに八回、一死走者なしで左腕ハドソンが1ストライクから投げたカットボールを捉え、右中間へ4試合ぶりの本塁打を放ち、メジャー通算500得点を達成しました。またメジャー通算199号とし、日本選手初の200号へあと1本としました。
試合は5-3でドジャースが勝ち、大谷は2打数2安打1打点1本塁打3四死球1盗塁で、打率は3割1分6厘。
6打席連続三振の時の大谷は、「ボールだ」と思った投球を「ストライク」とコールされる場面もあったが、ボール球をスイングする場面もありました。しかし、この日はボールの見極めを完璧にこなし、それが三塁打、本塁打に結び付きました。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。