ドジャースの大谷翔平は30歳の誕生日の5日(日本時間6日)、ドジャースタジアムで行われたブリュワーズ戦で「バースデーアーチ」を期待されたが、無安打に終わりました。しかし、チームは3点差を跳ね返す逆転勝利。大谷のドジャース移籍のの最大の理由は「ワールドシリーズで勝つこと」であり、その意味でチームの勝利は大谷にとって、何よりのプレゼントとなったようです。

 大谷は、3日のダイヤモンドバックス戦の第1打席で中前打を放って以来、12打席連続無安打。特に4日の第2打席から、この日の第3打席まで6打席連続三振の自身メジャーワーストの連続三振記録を作ってしましました。

 例年、「6月後半に強い」と言われる大谷。今季も6月16日に2本塁打を放って以降、7月3日の第1打席まで、55打数22安打10本塁打の打率4割と、爆発的な打撃を見せていました。しかし、3日の第2打席からは三振、右直、中飛、四球、三振、三振、三振、三振、三振、三振、左飛、一ゴロ――と、凡退が続きました。

 大谷ファン、ドジャースファンとも大谷の打撃に期待して誕生日の試合を見守っただろうが、大谷個人にとっては最悪の結果となりました。試合後の大谷の心の内は、悔しさでいっぱいだったろうが、ナインと勝利のハイタッチをするときの表情は心から喜んでいるように映りました。

 昨季までのエンゼルス時代の7月、8月は、いくら大谷が打ってもチームは負けが込み、大谷の表情は心の底からの笑顔が消えていました。しかし、この日の同点の八回一死一、二塁で大谷は一ゴロに終わったが、後続のスミスが四球、フリーマン、T・ヘルナンデスの連続適時打で8-5と勝ち越すことができ、ナ・リーグ中地区首位を独走するブリュワーズに逆転勝ちしました。

 投手も野手も故障者が多く出ているドジャースだが、選手層の厚さに加え、全選手が「ワールドシリーズで勝つ」ことだけに目標を定めている戦い方で、大きな連敗をしないチームとして、ナ・リーグ西地区の首位を独走しています。

 大谷が打てなくても勝利をもぎとったドジャースだが、もちろん大谷が打った方が勝利に近付くのは当然のこと。12打席連続無安打を反省し、次戦からは本来の大谷の打撃が見たいものです。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。