日本野球機構(NPB)は2日、オールスターゲーム(23日・エスコンフィールド、24日・神宮)のファン投票最終結果を発表したが、パ・リーグは指名打者(DH)部門を除く9部門で日本ハム勢9人が選ばれ、「ハムスター」ではないかと揶揄される結果となりました。
初戦の舞台が開業2年目の日本ハムの本拠地・エスコンフィールドであることや、若手の台頭で上位を争う躍進ぶりがあったとはいえ、外野手の3人のうちの2人、DH以外は全て日本ハム勢というは、「オールスター」というには程遠い結果となりました。
最多投票も外野部門の万波中正の131万4833票を筆頭に日本ハムの4人が100万票超えとなったが、100万票超えは2007年の山崎武司(楽天)以来、17年ぶり。複数人が100万票を超えたのは、16人が100万票超えだった03年以来だが、この年は優勝争いを独走していた阪神勢が9部門でトップに立ち、うち8人が100万票を超えました。
ファン投票では、甲子園の高校野球大会で人気者になった新人選手が一軍出場ゼロなのに選ばれるなど、はがき投票の時代から問題点が指摘されていたが、インターネット投票が主流となった現在では、より顕著になってきました。
「ファン投票のやり方を変えられないか」、「同一球団からの人数制限をしてはどうか」など、様々な意見に耳を傾け、改善していくことがNPBには求められると思います。何しろ、「セ・リーグ対日本ハム」では注目が薄れてしまいます。
セパ交流戦がなかった時代は、オールスターゲームはまさに「夢の球宴」だったわけだが、現在ではその意味での「わくわく感」はなくなりました。また、大リーグでは1試合だけで、現状でも選ばれることに誇りを持つ選手が多いが、プロ野球は複数試合のために、選手は米国ほど栄誉の感覚は少ないうえ、ファンも「特別感」が薄らいでしまっています。
1971年の「江夏豊(阪神)の9連続三振」や、75年に広島勢が活躍した「赤ヘル旋風」が、そのままペナントレース乗り移って初優勝を飾るなど、多くの名場面を残したオールスターゲームだけに、選手が「絶対に出たい」という感覚を持て、ファンが喜ぶ「夢の祭典」にしていってと願うばかりです。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。