本拠地の東京ドームで28日、首位の広島と対戦した4位の巨人は延長十回、「1番、右翼」で出場の丸佳浩が右翼席にサヨナラ本塁打をたたき込み、ゲーム差を3.5に縮めました。
同点の十回一死で打席に立った丸。2ボールから、これまで13打数無安打の栗林の変化球を振り抜くと、この日4安打目が試合を決める一打となり、「本当に完ぺきだった」と興奮冷めやらぬ様子でした。これで打率は3割1分に跳ね上がり、首位打者争いのトップに躍り出ました。
広島、巨人でチームの中心選手としてプロ17年目を迎えた丸だが、今季開幕直後は、スタメン出場でなく、ベンチを温めていることがほとんどでした。4月6日のDeNA戦(東京ドーム)の走塁中に痛めた右太もも裏の影響だが、そのころ、丸は17年目で初めて行ったことがあったそうです。
何かといえば、ガムを噛んで野球をやることです。ガムを噛む選手は大リーグなどで頻繁に見かけます。血流が良くなって集中力が高まる効果も認められており、、プロゴルファーなど他競技アスリートにも採用者がいます。
そうした理由からかと思ったら、本人は「ガムを噛み始めたころは、ベンチにいて暇だったんで、なんとなく嚙み始めた。そういえば、ガムを噛んで野球やったことないな、と。効果ってほどのことは感じないけど、守っている時の暇は紛れますね」と。
ガムを噛み始め、4月末に1番打者に定着して以降の好調ぶりは無関係ではないような気もします。2019年に広島からFAで巨人に入団したベテランの衰えを指摘する声もあるが、「まだ老け込む歳じゃないし、もう一花咲かせてほしい」と信じた同じ千葉県出身の阿部監督の下で復活した丸。
「なんとなく」始めた新習慣が、丸の潜在能力を引き出したのなら、「ガムを噛みながらプレーなんて」という外野席の声もかき消すことができるでしょう。
◇◇◇◇
1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。