プロ野球は21日、リーグ戦が再開しました。日本ハム対楽天戦では、交流戦でMVPを獲得した日本ハムの水谷瞬(23)が三回に2点適時打、1点を追う九回二死二塁では同点の中越え三塁打を放つなど、9-9の引き分けに持ち込む打撃を披露し、好調をアピールしました。

 ナイジェリア人の父と日本人の母とのハーフの水谷は愛知県津島市出身で、石見智翠館高校(島根)から2018年、ドラフト5位でソフトバンク入団。193㌢、99㌔という恵まれた身体を持ちながらなかなか芽が出なかったため、23年12月8日、現役ドラフトで日本ハムに移籍することが決まりました。

 今季は開幕は二軍で迎えたが、二軍戦で好調だったため、4月9日にプロ入り初の一軍昇格を果たしました。交流戦では18試合のうち15試合連続安打を含む16試合で安打を記録し、最終的に64打数28安打で交流戦史上最高の打率4割3分8厘をマークし、交流戦MVPを獲得しました。

 この交流戦はパ・リーグが53勝52敗3分けと、わずか1勝ではあるが勝ち越しました。19年間の通算ではパの1306勝1174敗で、パが16回勝ち越し。交流戦でパが強い理由の一つにDH制が挙げられます。

 大リーグでも、ナ・リーグとア・リーグが交流する「インターリーグ」が導入された1997年から2022年までの成績を見ると、DH制のあるアが3636勝3330敗で、26シーズンでアが19回勝ち越しました。22年にはナもDH制を導入したが、23年はナが362勝328敗と勝ち越しました。

 投手が打席に立つと、「安全パイ」として、相手投手は一息つくことが出来るが、DH制では9人全員に立ち向かうことになります。このため、DH制を導入すれば、投手力が上がる一方、打者は出番が増えるという「やる気」効果があります。これがパとセの差が出ている理由の一つと見られ、セもDH制の導入を検討する時期に来ている気がします。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。