米大リーグ・ジャイアンツなどでプレーし、名外野手として知られるウィリー・メイズが18日(日本時間19日)死去しました。93歳でした。

 米アラバマ州出身。黒人選手がプレーしたニグロリーグを経て、1951年にジャイアンツでデビュー。同年に新人王に輝くと、54年には打率3割4分5厘、41本塁打、110打点で最初のリーグMVPを獲得しました。通算3095試合に出場し、打率3割1厘、3293安打(史上12位)、660本塁打(6位)、1909打点(11位)。

 本塁打王と盗塁王を4度ずつ獲得し、20年連続でオールスターに選ばれました。リーグMVPは2度、ゴールドグラブ賞は12度獲得し、史上唯一の「3000安打、300本塁打、打率3割、300盗塁」を達成しました。

 特に中堅手として高く評価され、54年のワールドシリーズ第1戦では、同点の八回の守りで中堅への大飛球を、背走に背走を重ねて、最後は肩越しに捕球しました。このプレーは「ザ・キャッチ」と呼ばれ、同シリーズ史上最高のプレー、伝説のプレーとして、語り継がれています。

 20日(同21日)には、メイズがニグロリーグ在籍時にプレーしたアラバマ州バーミングハムの球場で、ジャイアンツ対カージナルス戦が行われます。NHK衛星放送で中継されるが、全米で注目される試合となりました。

 MLB史上最多の762本塁打を放ったバリー・ボンズは、父のボビーがメイズとチームメートだったこともあり「うちひしがれている。今の自分を築いてくれた方。永遠に愛している」と感謝の気持ちを表していました。

 同時代に活躍した755本塁打のハンク・アーロンと比較されることも多かったが、走攻守に突出したプレーを見せて「史上最高の万能選手」の称号を持ったメイズを讃える野球ファンは多かったことでしょう。

 「投打二刀流」の大谷翔平(ドジャース)は、「二けた勝利、二けた本塁打」を達成した「ベーブ・ルース二世」と呼ばれることが多かったが、「史上最高の万能選手」のメイズの称号も引き継ぐように思われます。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。