巨人は、交流戦の対オリックス(東京ドーム)で、2試合連続してプロ初勝利を相手投手に献上してしまいました。8日は高卒2年目の斎藤響介(19)、9日は前日の育成契約から支配下登録されたばかりで、プロ初登板初先発の5年目佐藤一磨(23)に対してです。

 巨人が2試合連続でプロ初勝利を献上するのは、2018年4月7、8日ヤクルト戦(神宮)の風張蓮、中尾輝以来6年ぶりだが、これはいずれも救援投手としての勝利。

 先発投手に2試合連続は、1987年8月9日の中日戦(ナゴヤ)で高卒1年目のプロ初先発初登板でノーヒットノーランを達成した近藤真一、同11日の阪神戦(後楽園)の猪俣隆以来37年ぶり。

 ただ、この時は移動日を1日挟んでの別の球団の投手。今回は同じ球団の投手に2試合連続でプロ初勝利を献上するのが巨人史上初なら、2日連続も初となりました。

 巨人は7日のカード初戦も育成出身の東晃平(24)に勝利を献上。この3試合の安打数とスコアは、初戦が2安打で0-2、2戦目が4安打で0-5、3戦目は4安打で1-4と、合計10安打で総得点1と、奮わない打線が原因でした。

 「巨人は初物に弱い」とは、昔からよく言われているが、巨人に限らず、初対戦の投手はデータ不足で、攻略法がつかめずに打てないケースが多くなります。それを打開するには、チーム勝敗の責任を一身に背負う「4番打者」が打つことが求められます。しかし、巨人4番・岡本和真の3連戦の成績は、10打数0安打、3三振、2四球と完ぺきに抑えられました。

 巨人の阿部慎之助監督も「まあ、4番が打てば勝つ。これが野球だと思う。ちょっと迷いとかあるかもしれないけど、何とか割り切ってやってほしい」と、4番に期待を込めました。

 3連敗で交流戦は6勝6敗の5割となり、リーグ順位も3位となった巨人。最近は「交流戦を制する者はリーグも制す」という傾向が高いだけに、残り6試合の交流戦の巨人の戦い方、岡本和の打撃に注目していきたいと思います。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。