日本高校野球連盟は6日、第106回全国高校野球選手権大会(8月7日開幕、甲子園)の地方大会の日程を発表しました。今月22日に最も早く南北北海道と沖縄で開幕します。順調に進めば、7月19日に秋田で最初の代表校が決定し、29日に49代表が出そろう予定です。

 今年も高校野球の季節が巡ってきましたが、「日本野球聖地・名所150選」の中から、高校野球の聖地、名所を紹介します。「150選」は2022年、日本に野球が伝来して150周年を記念して、日本野球機構と全日本野球協会が主催し、プロ、アマ野球の各団体などが協賛して展開した野球場や野球関連施設を選んだものです。

 まず、宮城県仙台市の「野球試合前挨拶発祥の地(旧制二高グラウンド跡=現片平公園)」。試合前に、両チームの選手と審判団がホームベースを挟んで挨拶を交わす慣習は、他国に類を見ない日本独特のスタイルです。この挨拶が生まれた地です。1911年、旧制二高(現東北大学)が主催して開催された第1回東北六県中等学校野球大会で初めて行われました。

 その後、試合前挨拶は、翌月に京都で行われた文部省直轄学校野球大会で旧制二高の提案で採用され、さらに15年開始の全国中等学校優勝野球大会(現在の夏の甲子園)で取り入れたことで、全国に広まり定着しました。

 続いて、「昭和天皇が初の野球観戦 和歌山・桐蔭高校スタンド、グラウンド」。全国で3校選ばれた高校のうち、和歌山県立桐蔭高校(旧制和歌山中)のグラウンド、スタンドを紹介します。昭和天皇は、皇太子時代のの1922年12月2日、同校を訪問し、同校OB軍対現役軍の紅白戦を観戦しました。

 戦後、1959年にはプロ野球初の天覧試合で巨人対阪神(後楽園球場)を観戦した昭和天皇にとって、初めての野球観戦でした。この時、運動場東側の丘陵斜面を利用して建設されたのが観覧席のスタンドでした。建設100年以上のスタンドは、昭和後期の改修を経て、今も現存します。高校野球の歴史を彩った球場であり、スタンドです。

 このほか、「150選」には、日本の野球に欠かせない名所が47都道府県全てにずらりと並んでいます。興味のある方はお近くの名所を尋ねてみてはどうでしょう。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。