プロ野球交流戦、楽天対ヤクルト戦が2日、楽天モバイルパーク宮城で行われ、ヤクルトの先発・石川雅規投手(44)が新人から23年連続勝利のプロ野球新記録を達成しました。22年で並んでいた米田哲也(阪急、阪神、近鉄)を抜いたもので、新人からに限らなければ、23年連続は山本昌(中日)、工藤公康(西武、ダイエー、巨人、横浜)、三浦大輔(横浜、DeNA)と並ぶ最長タイ記録となりました。

 現役最年長投手でも、シーズンの初白星は「やはり特別だなと、改めて感じた」と語りました。雨中の試合で、ぬかるむマウンドにひるむことなく、強気にストライクゾーンを攻めました。毎回のように走者を出しながら、120㌔台の直球と多彩な変化球で緩急を利かせ、楽天打線を五回コールドながら、4安打、投球数65、1三振、無四球、無失点で零封。

 最近は最速150㌔を超えるパワー系投手の活躍が目立つが、抜群の制球力を基に投球術を磨いてきた結果が記録達成につながりました。自身が持つ交流戦の通算勝利最多記録を29に伸ばし、通算成績は186勝186敗と、節目の200勝まであと14勝となりました。

 この日は、相手先発が39歳のベテラン・岸孝之投手との投げ合いとなり、「相手が年代も近い岸投手ということで、楽しみにしていたし、勝ててすごくうれしかった」。

 というのも、今季は初先発となった4月16日の中日戦は5回無失点だったが、勝ち負けは付きませんでした。5月6日のDeNA戦では5回2失点で勝利投手の権利を持ったままマウンドを降りたが、その後リリーフ陣が打たれて勝利は付かず、同19日の阪神戦では4回途中を7安打4失点と打ち込まれて負け投手となるなど、「初勝利」になかなか手が届かなかったからです。

 秋田市出身で、2002年に青山学院大学からヤクルト入りした石川。1㍍67、73㌔の小柄ながら、その年から23年連続勝利を挙げたことについて「一人でできることではないし、支えてくれた家族や使い続けてくれた監督、コーチ、裏方さん、全ての人がいないとできなかったので、皆さんに感謝したい」と語りました。

 あと14勝。この気持ちを持ち続けることが出来れば、必ず達成できると思います。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。