28日は東京とニューヨーク(NY)で長い野球の歴史を再現するような出来事がありました。
東京ドームでは、プロ野球交流戦の巨人対ソフトバンク戦で、巨人の球団創設90周年記念の特別試合「王貞治DAY」が行われました。五回裏終了後、グラウンドに姿を現したソフトバンク球団の王会長は、巨人ファン、ソフトバンクファン双方から「貞治コール」を受け、笑顔で手を振って応えていました。
王会長は「長嶋(茂雄)さんと一緒にやらせていただいて、お互いに競い合えたのが本当に良かった」とON時代を振り返り、「(両チームが)何とか勝ち上がり、日本シリーズでやりたい」と期待を寄せました。
一方、ニューヨークでは、シティ・フィールドのメッツ対ドジャース戦で、オールドファンにとっては懐かしい光景が見られました。スタンドでドジャースのユニホーム姿のファンが、「B」のマークが付いた帽子を被っていたのです。もちろん、「B」は「ブルックリン」の頭文字です。
ドジャースは1884年、「ブルックリン・アトランティックス」としてニューヨークで誕生。その後チーム名は変遷し、1932年に「ブルックリン・ドジャース」となり、57年までニューヨークに本拠地を置いていました。そして58年、「ロサンゼルス・ドジャース」となって、本拠地を東海岸から西海岸に移しました。
かつての本拠地球場「エベッツ・フィールド」は取り壊され、現在はアパートが立っているが、アパートの創設時の名称は「エベッツ・フィールド」。アパートの敷地内には球場のホームベースががあった場所にホームベースのモニュメントが添え付けられています。また、「シティ・フィールド」は、「エベッツ・フィールド」の外観に似せて創られています。
また、47年にドジャースがジャッキー・ロビンソンと契約を結び、初の黒人選手の道を開いたことからアパートに隣接する小学校の名称は「ジャッキー・ロビンソン小学校」です。
「世界のホームラン王」の王会長を讃える記念試合も、昔の「ブルックリン・ドジャース」を忘れないファンの存在も、日米の野球に対する思い入れが感じられました。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。