プロ野球は交流戦前の最後のカード6試合が各地で行われました。甲子園球場では伝統の一戦が阪神・才木浩人、巨人・菅野智之の今季好調同士の先発で始まりました。

 才木は5勝1敗、防御率1・76の安定感で、開幕から全試合日曜日に先発。5月はここまで全て勝利投手になっています。体調不良から復帰した菅野も、ここまで6試合に先発し、無傷の4勝、防御率1・37をマークと、文句のない成績です。

 この3連戦の初戦は巨人・戸郷のノーヒットノーラン、2戦目は阪神投手陣の完封リレー。3戦目は好調2投手の先発で、「投手戦」が大半の予想でした。

 その通り、六回まで才木は6安打されたものの、併殺や走塁ミスもあり、4三振無四球の無失点。菅野は「戸郷に続け」とばかりに無安打4三振1四球で無失点と、投手戦で中盤まで終えました。

 試合が動いたのは七回。阪神は一死から森下のチーム初安打となる右越え二塁打と大山の左前打で一、三塁の好機を作り、渡辺の右前適時打で菅野から1点先取しました。菅野は被安打3で降板しました。

 巨人は九回一死後、抑えのゲラから岡本和が中越えソロ本塁打を放ち、同点。試合は延長に入りました。

 巨人は十回、一死一、三塁から丸の中犠飛で勝ち越しの1点を入れ、そのまま逃げ切りました。

 それにしてもこの3連戦、初戦は巨人が1-0。2戦目は阪神が3-0、3戦目は巨人が2-1と、ロースコアの試合が続きました。特に巨人は3試合合計3得点で2勝1敗の勝ち越し。

 巨人のチーム打率を見ると、2割2分9厘でリーグ5位、総得点は113で6位。一方、チーム防御率は2・30、総失点は118で、ともにリーグ2位。このように今季の巨人は「投高打低」で、首位阪神に2ゲーム差の3位で交流戦に突入します。

 V奪回には、この3連戦の戸郷や菅野のように投手力をさらに高め、岡本和や丸のように打力を底上げすることが、数字の上ではっきり出ています。

   ◇◇◇◇

 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。