巨人の戸郷翔征服投手(24)が24日、甲子園球場で行われた阪神戦で、自身初のノーヒットノーランを達成しました。史上89人目、通算101度目。巨人では2018年7月27日の中日戦(東京ドーム)で達成した山口俊以来。巨人が甲子園球場の阪神戦で達成したのは1936年9月25日の沢村栄治以来88年ぶりとなります。阪神戦では37年5月1日に洲崎球場で同じ沢村が成し遂げて以来87年ぶり3度目となります。

 戸郷は初回を3者連続の中飛に打ち取ると、その後も順調にアウトを重ねました。三回二死からは自らの一塁秋送球、五回は岡本和の失策もあったが、安打を許すことはありませんでした。

 六回無死では、木浪の左翼線への飛球を、途中出場した立岡がスライディングで好捕するなど、バックも好守備で盛り立てました。

 九回は、先頭の木浪にこの試合初の四球を与え、無死一塁。続く小幡のバントで、初めて得点圏に走者を進められました。この一死二塁で、近本にいい当たりの一塁ライナー。まだ戸郷にツキはありました。そして、中野はフォークで空振りの三振に仕留め、ノーヒットノーランを達成しました。

 戸郷は試合後、「やっと緊張から解き放たれたので最高です。六回終わった時点であと9人と思いながら、八回終わったら、本当にできるのかなと思っていた」と興奮気味に振り返りました。

 巨人は4連敗で、首位阪神に3ゲーム差で迎えた伝統の一戦。昨季は3勝10敗、今季も2敗1分けだった甲子園球場で大記録を達成した戸郷は「甲子園球場自体は好きで、阪神にも苦手意識はそんなにありません」と、笑顔で話していました。

 「伝説の投手の沢村栄治以来、80年以上ぶり」という歴史的な大記録を達成した戸郷と巨人。巻き返しには最高の試合となった感じがします。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。