カブスの今永昇太投手(30)の歴史的な快投が止まりません。18日(日本時間19日)シカゴのリグレーフィールドで行われたパイレーツ戦に先発し、七回まで88球を投げ4安打無失点、7奪三振、1四球の好投を披露しました。試合はカブスが九回裏に1-0のサヨナラ勝を収めたため勝敗は付かなかったが、防御率は0・84と伸ばしました。

 「0・84」は、防御率が両リーグで公式記録となった1913年以降、デビューから9試合の先発登板で歴代1位にランクされます。これまでの記録は81年のフェルナンド・バレンズエラ(ドジャース)の0・91。新人投手以外でも、シーズン開幕からの9先発登板の防御率として6位タイとなる記録です。

 この試合も、浮き上がる速球とスプリットを制球良く投げ、最後まで的を絞らせませんでした。特に、投球の4割を占めたスプリットの空振り率が43%に上り、これが好投の一因になっています。

 しかし、今永は「防御率のことは全く気にしていません。それより、僕が投げた試合でチームが勝ったということが本当によかった」と、周囲が騒いでいる「0・84」の防御率についてはあまり触れたくない様子でした。

 それでも米国メディアは「彼は歴史を作り続けている」と、驚きを持って伝え、バレンズエラに続く史上2人目の新人王とサイ・ヤング賞の同時受賞を予想する声も上がっています。

 かつて田中将大(当時ヤンキース、現楽天)が2014年にデビューから13試合の登板で2けた勝利となる10勝目を挙げた時、バレンズエラ以来史上2人目の偉業を予想した米国メディアがあったが、惜しくも田中は逃しました。

 まだまだシーズンは多く残っているが、今永の快投は、「史上2人目」を十分予感させる投球であることは、間違いありません。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。