ヤクルトの村上宗隆が15日の広島戦(松山・坊っちゃんスタジアム)の広島戦の八回、矢崎から右中間にソロ本塁打を放って、史上最年少通算200号本塁打を達成しました。24歳3か月での200本塁打は清原和博(当時西武)の24歳10か月を抜くプロ野球最年少。200本塁打はプロ115人目。初本塁打は、2018年9月16日の広島戦です。

 王手をかけた今月4日以降、鳴りを潜めていた村上のバットから、8試合、34打席ぶりの待望の一発が生まれました。セ・リーグ単独トップに立つ9号で、「久々にいい感触だった」と手放しで喜んでいました。

 1点リードで迎えた八回二死走者なしの場面。矢崎の高めに浮いた変化球を捉えた打球は、松山の夜空に高い弧を描いて吸い込まれていきました。

 通算100号、150号、シーズン100打点、セ・リーグMVP受賞など、数々の最年少記録を更新してきた村上。2022年には日本選手最多の56本塁打を放ち、史上最年少の三冠王に輝いた特別なシーズンとなりました。そして翌23年春のWBCでは、大リーグで22年に46本塁打を放った大谷翔平(当時エンゼルス)を差し置いて「4番」でスタートしました。

 しかし、全く打棒が奮わず、打順を下げられる苦しい経験をしました。さらに、23年シーズンでは三冠どころか一冠もとれず、チームの3連覇も途絶えてしましました。優勝どころか、5位に低迷した責任を一人で背負い、落ち込むとき時もありました。そうした不振からの脱出も、本塁打単独トップに立ち、チームも最下位から抜け出したこの日の一発で叶えられそうです。

 次の250号からは、「世界のホームラン王」の王貞治の年齢が目標となります。また、次回のWBCや28年ロサンゼルス五輪での大谷との「4番争い」も注目されます。 

 通算200本塁打の年少記録ベスト5は以下の通りです。

 ①村上宗隆(ヤクルト)24歳3か月②清原和博(西武)24歳10か月③王貞治、松井秀喜(ともに巨人)25歳3か月⑤張本勲(東映)26歳11か月

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。