DeNA対阪神戦が11日、横浜球場で行われ、DeNAが7点差をひっくり返して逆転勝利。三回終了時に9-2と7点差を付けられたDeNAだが、四回に1点、五回に4点返し、9-7と2点差に迫りました。

 そして八回、蛯名の2ランで追い着くと、筒香のソロで勝ち越し、牧のソロで突き放しました。阪神は今季初の2けた失点で、首位から滑り落ちました。

  DeNAが7点差以上をひっくり返したのは、1919年9月19日の広島戦以来、5年ぶり11度目。7点差以上の逆転勝利の回数はオリックスの8度を抑え両リーグ最多で、10度以上はDeNAだけです。11度のうち、阪神戦は1975年7月26日の8点差、84年5月27日の7点差、13年8月20日の7点差に次いで4度目となり、カード別では最多となっています。

 決勝打を放った筒香は、左翼手では二回の近本の左前への飛球を追い切れず、ワンバウンドで適時二塁打にするミスを犯しました。強風注意報が出て風向きがクルクル変わる悪条件の中とはいえ、言い訳できないミスでした。打撃でも、六回までの4打席は無安打で2三振。「それまでが散々だった」と振り返ったが、7点差を詰めていく打線の流れに乗ることが出来たのでした。

 三浦監督も「ああいうところで打てるのが筒香。打撃内容どうこうではなく、勝負強い」と称えました。

 なお、プロ野球史上最大得点差の逆転勝利は10点差で、これまで4度、記録されています。最初は1949年10月2日の大映スターズ対大陽(太陽から48年に大陽へ変更)ロビンス戦(京都・衣笠)で、ダブルヘッダーの第1試合で10-3と敗れた大陽が、第2試合も10-0とリードされ、大陽ファンから「金返せ」のヤジが飛んだが、最後は11-10の大逆転勝利をつかみ取りました。

 大陽は翌50年、球団名が「松竹ロビンス」に変わるが、51年5月19日の大洋ホエールズ戦(大分・春日浦)で六回終了時点で12-2の10点差を、13-12で逆転勝利。3度目は97年8月24日の近鉄対ロッテ戦(大阪ドーム)で、二回終了時点で10-0とリードされた近鉄が11-10で勝利。4度目は2017年7月26日のヤクルト対中日戦(神宮)で六回まで10-0とリードされたヤクルトが11-10で勝利をつかみました。

 しかし、大陽はシーズン最下位、松竹は4位、近鉄は3位、ヤクルトは最下位に終わりました。やはり打線は水物で、野球は投手力が良くないと優勝は難しいようです。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。