ロッテの佐々木朗希投手(22)が10日、日本ハムの本拠地・エスコンフィールドで初めて登板しました。しかし、六回途中で自己ワーストタイの5失点を喫し、敗戦投手となりました。

 佐々木は昨季も9月17日、西武の本拠地・ベルーナドームで初登板した際、慣れないマウンドで制球が乱れ、3回4安打3失点、投球数70でKO。投球の時に着地する左足が固い土の部分からはみ出してしまい、歩幅を短くするという本来のフォームで投げられなかったことも一因だったと指摘されました。

 10日の日本ハム戦も、マウンドの傾斜がブルペンと異なると違和感を感じながら投げ続け、五回まではマルティネスのソロ本塁打による1失点に抑えていました。しかし、投球数100球を超えて続投した六回、二死二、三塁から松本に右前同点適時打を許し、さらに一、三塁のピンチを迎えたところで降板しました。

 結局、後続の投手が打たれて佐々木は5回2/3、投球数123、8安打、4三振、5四球、5失点の内容で敗戦投手となりました。

 入団5年目を迎えた佐々木だが、故障がちで規定投球回数に達したことが一度もありません。このため、「能力は高いのだから、故障さえなければ、もっと活躍できるのに」という「ガラスのエース」と評されることも度々ありました。

 これに加え、新しいマウンドに慣れないという「繊細な投手」の評も付いて回ることになりそうです。将来、メジャー移籍を目指しているという佐々木に対し、この日もメジャー7球団12人のスカウトが視察したが、不完全燃焼に終わりました。

 メジャーは30球団あり、「初の球場は苦手」では、話になりません。投手としての能力は抜群なだけに、故障を減らし、どんな悪条件でも負けないという「心身のタフさ」が、佐々木には求められます。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。