前回の登板で、日本投手の背番号「18」トリオががそろって勝利投手になったが、7日(日本時間8日)は明暗が分かれました。ドジャースの山本由伸は4勝目(1敗)を挙げたが、カブスの今永昇太は好投したが白星は付かず、タイガースの前田健太は打ち込まれたが味方の援護で黒星は免れました。

 本拠地でまだ白星のない山本が初回、ドジャースタジアムの真っ新なマウンドを踏みました。しかし、マーリンズの1番チザムに初球の154㌔の速球を右翼席に運ばれ、プレーボール被弾を食らいました。

 思わぬ形で3試合、16イニングぶりの失点を喫したが、後続を無失点に抑え、この回は投げた12球全てがストライク。被本塁打で気落ちすることなくテンポ良く投げた山本に打線がプレゼント。その裏、ベッツ四球、大谷翔平四球、ベッツ死球の一死満塁からマンシーが左翼席に逆転満塁本塁打。

 逆転劇に山本はテンポのいい投球を二回に入っても続け、8番ブルーハンの2球目がボールになるまで、プレーボールから19球連続ストライクを続けました。これはデータが残る2000年以降ではドジャース史上初のことでした。二回以降の失点は六回一死からデラクルスに浴びた左越えソロ本塁打だけで、8回、投球数97、5安打、5三振、無四球の2失点の好投で、ドジャースのロバーツ監督と握手を交わして降板しました。

 試合前の時点で、勝利数5、防御率0・78ともリーグトップの今永は、この日も七回まで無失点と、最高の投球を披露しました。そして1-0と1点リードの八回もマウンドに上がった今永だが、パドレスのアラエスに内野安打を許し、プロファーに追い込んでからの5球目の外角低めのスプリットを左中間席に運ばれる逆転2ランを許しました。ここで今永は降板し、6勝目を手にすることはできませんでした。

 それでも、その裏、無死一、三塁からモレルが松井裕樹から中犠飛で同点となり、今永の敗戦投手は消えました。さらに九回はブッシュがサヨナラ本塁打を放ちました。今永は勝利数トップの座からは滑り落ちたが、防御率1・08はナ・リーグトップの座を守り、カブスのカウンセル監督の信頼は全く揺るぐことはなかったようです。

 前田は、ガーディアンズ戦に先発し、2回、5安打、3四球、7失点で降板したが、三回に味方打線が同点に追い着いたため、敗戦投手は免れたが、タイガースのヒンチ監督は苦い表情を見せていました。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。