DeNAの筒香嘉智(32)が6日、大リーグからの復帰初戦に劇的逆転3ランで横浜球場を喚起の渦に包み込みました。大リーグからプロ野球に復帰したのは15人目だが、復帰戦で本塁打を放ったのは筒香が初めてです。
ヤクルト戦の八回、5-2と3点リードされたDeNAは、佐野の適時打で1点返した後、さらに二死一、二塁で、七回に復帰初安打となる左中間二塁打を打っている筒香が打席に立ちました。エスパーダの初球の速球を振り抜くと、舞い上がった打球は右中間席へ吸い込まれました。ファンの大歓声を浴びてダイヤモンドを一周すると、「特別な時間でした」と喜びに浸りました。
筒香はDeNAで、3426打数977安打、613打点、205本塁打、打率2割8分5厘の好成績を残してメジャーへ移籍しました。しかし、大リーグでは557打数110安打、75打点、8本塁打、打率1割9分7厘と結果を出せず、昨季、今季はメジャー昇格も果たせませんでした。
それでもDeNAのファンは暖かく筒香を迎え、「6番、左翼、筒香」とアナウンスされると、詰めかけた33284人のファンから大声援が送られました。
野茂英雄から始まった本格的な大リーグ挑戦。当初は、「日本人が大リーグなんて無理だ」と言われたが、野茂の活躍でそれを消しました。しかし、今度は「投手は成功しても打者は無理」の声をイチローが払しょく。すると「プロ野球で成功した選手の大リーグ移籍は、プロ野球をだめにする」の声が上がりました。
しかし、広島に戻った黒田博樹や、今回の筒香は、日本ファンに暖かく迎えられ、「プロ野球→大リーグ→プロ野球」が確立されつつある感じがします。逆に阪神に在籍したセシル・フィルダーや広島に所属したアルフォンソ・ソリアーノが、大リーグで大活躍するケースも多く見られます。
WBCで日本が3度優勝し、世界ランキングも日本が1位の現在、プロ野球と大リーグがともに選手の交流で発展していく道は無限に開けていくと思います。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。