エンゼルス時代の昨季、ア・リーグの本塁打王に輝いた大谷翔平(ドジャース)にとって、最大のライバルは、昨季のナ・リーグ本塁打王のマット・オルソン(ブレーブス)。ともに3年連続30本塁打以上打っている長距離打者。4日(日本時間5日)のブレーブス戦(ドジャースタジアム)では、大谷がライバルの目の前で8号本塁打を放つなど、ドジャース11-2の大勝の一因となりました。

 ドジャースが2点リードの三回、先頭の大谷は1ストライクから、右腕エルダーの内角高めの直球を振り抜くと、打球速度166㌔、飛距離119・4メートル、角度34度の高々と上がった打球は右翼席に吸い込まれました。大谷は一塁の定位置で守っていたオルソンの頭上を見て、本塁打と確認。オルソンは右翼席を振り返って見守っているだけでした。

 昨季、44本の大谷はオールスターまでの前半戦で32本打ったのに対し、54本のオルソンは29本。しかし、後半戦は大谷の12本に対し、オルソンは25本と、差が出ました。

 大谷は故障、手術の影響で9月4日以降欠場したので、前半戦の32本がア・リーグ1位だったのに対し、後半戦の12本がリーグ27位だったのは仕方ありません。一方、オルソンは前半戦の29本、後半戦の25本とも、リーグ1位で、1シーズン通して本塁打を打ち続けた結果を残しました。

 昨季の大谷は打率3割4厘、44本塁打、95打点で本塁打王だったの対し、今季も打率3割4分5厘、8本塁打、22打点と、打撃全体に好スタートを切れました。

 一方、オルソンの昨季は打率2割8分3厘、54本塁打、139打点で本塁打と打点の二冠王だったのに対し、今季は打率1割9分5厘、3本塁打、16打点と、現状では開幕から眠ったままの状態です。

 しかし、本塁打打者は、きっかけをつかむと本塁打を量産する傾向にあり、オルソンも爆発する時期が来るのことが予想されます。ナ・リーグの本塁打王争いは、この2人が最後まで争うことになるのか、注目していきたいと思います。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。