レッドソックス対ジャイアンツ戦が2日(日本時間3日)、ボストンのフェンウェイ・パークで行われ、レッドソックスの上沢直之投手(30)が救援登板、メジャーデビューを果たしました。

 1-3で2点ビハインドの八回に5番手で登板。先頭のソレアを2球目のスプリットで三邪飛に打ち取ると、続くフローレンスにはカウント1-1からスプリットで内角を攻め、三飛に仕留めました。

 さらに3人目のコンフォートは外角低めにまたもスプリットで空振りの三振。わずか11球の三者凡退で投げ終えてベンチに戻ると、左手親指付け根を痛めて負傷者リスト入りして欠場している吉田正尚外野手(30)とハイタッチを交わしました。

 九回も遊ゴロ、ニゴロ、遊ゴロの三者凡退に抑えた上沢は、2回無安打1三振無失点の好投を披露しました。

 ここまでの上沢の道程は困難を極めていました。昨季終了後に日本ハムからポスティングシステムを行使して、レイズとマイナー契約。メジャーキャンプに招待選手として参加したが、オープン戦では4登板で0勝1敗、防御率13・03と結果を残せず、マイナー行きが通達されました。

 その後、入団時に締結していた条項を行使して退団。金銭トレードでレッドソックスに加入しました。傘下の3Aのウースターで3度登板し、2勝1敗、防御率4・80の成績を残し、4月28日(同29日)のカブス戦でメジャー登録され、3試合ブルペン待機の末、メジャーデビューとなりました。

 上沢は「3Aで学べることは多かった。ようやくスタートラインに立てたので、ここからが勝負」と、意気込みを見せていました。

 これで、今季メジャーで投げていない日本投手は、右肩を痛めて負傷者リスト入りしているメッツの千賀滉大投手(31)と、メッツ傘下の3Aシラキュースに所属する藤浪晋太郎投手(30)だけ(ドジャースの大谷翔平は、投手としては来季から復活の予定)となりました。

 千賀は昨季の実績(12勝7敗、防御率2・98)から、故障明けにはメジャーで活躍することが予想されるが、問題は藤浪。マイナーでの登板の度に四球を連発して失点を繰り返し、防御率15・88の惨状で、メジャー昇格の兆しが全く見られません。昨季はアスレチックスから移籍したオリオールズでは中継ぎ投手としてホールドを記録するなど一時活躍しました。球速は165㌔を記録するなど潜在能力はあるだけに、とにかく制球力を取り戻すがメジャー昇格の絶対条件。

 上沢がマイナーから昇格できたのだから、藤浪にも意地を見せてほしいと思ます。

   ◇◇◇◇

 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。