大リーグではドジャースの大谷翔平が松井秀喜に並ぶ日本選手最多の175本塁打、プロ野球ではソフトバンクの山川穂高が史上2人目の2打席連続満塁本塁打を放つなど、13日は日米で本塁打の話題に事欠かない一日でした。一方、選抜高校野球では低反発バットの影響で本塁打数が激減しました。

 大谷はドジャースタジアムで行われたパドレス戦の一回、左中間席に今季4号ソロ本塁打を放ち、松井に並びました。本塁打ペースは、松井がメジャー10年で合計5066打席での175本だったのに対し、7年目の大谷は2945打席での175本で、大谷は2000打席以上少ない中での記録到達。大谷は「長打は僕の一つの売りだと思う。強みを生かしていきたい」と話していました。

 山川はベルーナドームでの西武戦の六回と八回に満塁本塁打を打ちました。2打席連続満塁本塁打は、2006年4月30日に巨人の二岡智宏が中日戦で記録して以来2人目で、パ・リーグでは初の出来事でした。山川は開幕戦で1号本塁打を打って以来51打席ぶりの本塁打で、「安打よりも本塁打の方が乗って行ける」と、上昇へのきっかけをつかんだようでした。

 一方、3月に行われた第96回選抜高校野球大会では、低反発バットの導入の影響で、本塁打数がわずか3本で、そのうち1本はランニングホームランだったので、柵越えは2本だけでした。

 大会本塁打数が4本以下だったのは、木製バット使用最後の大会で、1本(しかもこれはランニングホームランで、柵越えはゼロ)だけだった1974年以来、50年ぶり。大会最多本塁打は84年の第56回大会の30本で、ピークの1割になったことになります。このため、青森山田の中軸2選手は木製バットを使用したほどでした。ちなみに、夏の大会最多本塁打数は2017年の68本。

 「野球の華はホームラン」と言われることも多く、大リーグでは94年から95年にかけてのストライキ後の人気回復策として、「飛ぶボール」を使い、本塁打数が増えたことがあります。

 大谷、山川、選抜高校野球――。本塁打を改めて考えさせられました。

   ◇◇◇◇

 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。