ヤクルト対巨人戦が11日、神宮球場で行われ、巨人が菅野智之の好投と小林誠司の今季初安打となる決勝打でヤクルトに快勝しました。

 巨人は0-0の六回、二死二塁で小林が詰まりながらも左前打を放ち、1点先取。八回にも1点、九回はダメ押しの3点を加えました。今季2度目の先発の菅野は、先取点をもらった直後の六回、「ここが勝負所」と、3番オスナを三ゴロ、4番村上、5番サンタナは150㌔前後の速球と変化球を巧みに織り交ぜる小林のリードで連続三振に仕留め、開幕からの連続無失点を13イニングに伸ばして降板しました。

 菅野はヤクルト戦、通算22勝10敗と勝ち越しているが、神宮球場では16試合に登板して3勝7敗、防御率6・28、合計86回投げて本塁打を20本も打たれているという苦手な球場です。セ・リーグの本拠地球場の中で、菅野が負け越しているのは神宮球場しかなく、防御率も最悪。昨年7月17日には先発して初回に村上と内山に本塁打を浴び、わずか1/3回で6失点のKOとなりました。

 東海大学時代は、大学選手権に3度、明治神宮大会に1度出場し、神宮球場で合計10試合投げて投球回数50回2/3で52奪三振、防御率0・53と、むしろ相性のいい球場でした。

 大学時代は本塁打を打たれることはほとんどなく、狭い神宮球場でも一発を食らった経験が少なかったが、プロに入るとパワーある打者が多く、特に狭く屋外の神宮球場では、その日の風の具合によって、少し間違えると本塁打を打たれるという恐怖心のために、前年まで苦手としていました。

 しかし、この日は速球のスピード、スライダーの曲がり、制球力とも申し分なく、小林と神宮球場での風向きを検討しての配給などを事前に打ち合わせた結果、苦手球場を克服することができました。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。