中日―巨人戦が4日、バンテリンドームで行われ、巨人が2-0で勝ったが、この試合で巨人の阿部監督は菅野、小林、中川、大勢の4人を救う采配をみせました。
まず菅野ー小林のバッテリー。昨季は2013年にプロ入りしてから最少の4勝(8敗)にとどまった菅野。復活を期す今季の初登板に当たって阿部監督は、17年に最優秀バッテリーを受賞した同学年の小林を捕手に起用しました。実に22年6月17日の中日戦(バンテリンドーム)以来657日ぶりの先発バッテリーを組んだことになります。
小林も今季初出場で、スタメンマスクとなると昨年5月4日のヤクルト戦(東京ドーム)以来336日ぶり。3月20日のロッテとのオープン戦でも4回無安打無失点と結果を残した「最強バッテリー」は、この試合も7回4安打無失点と結果を出しました。
7回で投球数はまだ90球で、菅野の完封も予想されたが、阿部監督は八回に中川を投入しました。中川は2日の中日戦で細川にサヨナラアーチを浴びるなど、登板2試合で被弾し、敗戦投手になっていました。今季を戦う上で中川はどうしても必要な中継ぎ要員。早いうちに中川を救うための起用だったが、中川は1回を無安打無失点と、3人でピシャリと抑え、見事起用に応えました。
最後は大勢。春季キャンプのランニング中に右ふくらはぎを痛め、故障班での調整を強いられていた大勢だが、九回に登板した守護神は、先頭で代打の尾田、三好、田中を3者連続三振で封じ込みました。球速150㌔台後半を連発し、三好、田中との勝負では1球ずつ、球団の日本選手最速を更新する160㌔を計測。大勢は「160㌔は1つの目標、憧れでもあったので、出てうれしい」と、今季初セーブとともに、160㌔計測を喜んでいました。
菅野に初勝利、小林に1年ぶりのスタメンで好リード、中川に復活の投球、大勢に初セーブと、いずれも価値ある結果を出させた「阿部采配」。チームは3連敗で借金1を背負っていただけに、勝率を5割に戻すこの勝利は大きいと言えます。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。