ドジャースの山本由伸投手(25)は30日(日本時間31日)、ドジャースタジアムで行われたカージナルス戦に先発し、5回2安打、投球数62、三振5、無四球、無失点の好投を披露し、勝利投手の権利を得て降板したが、リリーフ投手が逆転され、初勝利は持ち越しになりました。試合は、カージナルスが6-5で競り勝ちました。

 前回登板した韓国で行われた試合では初回に5失点を喫したが、本拠地デビューとなったこの試合は一回、見違える投球を見せました。先頭のドノバンに対して、初球は152㌔の速球で見逃しのストライクを取ると、2球目は鋭い曲がりのカーブで空振り。フィニッシュは高めからグッと落ちるカーブで見逃しの三振と、3球三振のスタートとなりました。

 さらに2人目、3人目はカーブとスプリットを低目に投げ込んで三振と、3者三振の最高の立ち上がりを見せました。この後、四回終了時に雨のため35分中断する場面があったが、同球場での雨天中断は2015年4月7日以来で、雨の少ないロサンゼルスでは実に9年ぶりの珍しい出来事でした。

 山本は中断後の五回も投げ、結局、5回無失点の投球内容で、五回裏にドジャースが2点先制したため、山本は勝利投手の権利が付いて降板したが、七回に2-5と逆転されたため、メジャー初勝利は持ち越しになりました。

 山本は試合後、「前回は悪いピッチングだったので、しっかり落ち着いて立ち直せたのと、いい感覚が徐々にでてきていたので、自信を持ってマウンドに上がれました」と好投の理由を分析。勝利投手に成れなかったことについては「とにかくチームが勝つことが一番なので、逆転されましたけど、何とかもう一度逆移転するよう応援していました」。ドジャースタジアムの印象は「歓声もすごいですし、すごく気持ちよくピッチングが出来ました」と、投げやすいマウンドだったことを強調していました。

 勝ち星こそ付かなかったものの、山本の好投はチームにとって、勝利以上の価値あるものだった気がします。  

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。