プロ野球は29日、セ、パとも開幕し、創立90周年の巨人は、東京ドームで行われた阪神との伝統の一戦で4-0と快勝。巨人の新監督の開幕戦勝利は、8年ぶり4人目となりました。
投手陣では、6年目で初めて開幕投手を任された戸郷翔征が6回を4安打無失点の好投で、継投陣にバトンを渡しました。その1番手は、ドラフト1位ルーキーの西舘勇陽(中大)。西舘は1回を無安打無失点で中川皓太に託すと、中川も1回を無安打無失点。さらにストッパーの大勢は1回を振り逃げを含む3奪三振、無失点に仕留め、4投手の完封リレーで猛虎打線を沈黙させました。
打撃陣は五回、一死一、三塁からドラフト3位の佐々木俊輔(日立製作所)の遊ゴロの間に1点先制。さらに18年目のベテラン梶谷隆幸が右越え2ラン、八回は17年目の丸佳宏が適時打でダメ押しの1点を加えました。
守備でも三回一死一、二塁で右中間の抜けると思われた打球を梶谷がダイビングキャッチ、さらに飛び出した一塁走者をアウトにする併殺を完成させました。
采配では、阪神の先発青柳晃洋に相性のいい梶谷を3年ぶりの開幕スタメンとなる「3番、右翼」に抜擢し、「1番、中堅」には2001年の阿部監督自身以来の「新人野手開幕スタメン」として佐々木を起用。佐々木は初安打、初打点と躍動しました。
新人監督の開幕戦勝利は、2リーグ制後では1950年松竹戦の水原茂、81年中日戦の藤田元司、2016年ヤクルト戦の高橋由伸以来8年ぶり4人目で、伝統の一戦では初の快挙となりました。
それでも阿部監督は「今日、この1試合を勝つためだけにやっていない。最後、優勝するためにやっている。その通過点だと思います」と、思いが早くも次の1勝に向けられていたことは、頼もしく映りました。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。