ドジャースの大谷翔平選手(29)と巨人の阿部慎之助監督(45)の行動に、そろって「反骨心」が伺えました。
大谷選手は25日(日本時間26日)、ドジャースタジアムでの古巣エンゼルスとのオープン戦の試合前、元通訳の水原一平氏についての声明発表に臨み、その後グラウンドに出て約10㍍の距離で15分ほどかけて約50球のキャッチボールを行いました。
昨年9月の右肘手術後、初めて報道陣の前でボールを投げる姿を見せました。もちろん、投手としてのリハビリも順調に進んでいることを示したかったこともあろうが、それ以上に、元通訳の行動と、「大谷も賭けに関与していたのではないか」との報道に対する反骨心を感じ取りました。
野球のプレーに関することではない報道で叱咤されていることに、「俺は野球のことだけを考えてここまで回復しているんだ」とアピールすることでしか、今の自分の気持ちを表現できないことを示したものだと感じました。
一方、巨人は26日、新外国人のルーグネッド・オドーア外野手(30)が退団すると発表しました。24日のオープン戦終了後、開幕一軍メンバーから外れるためファーム調整を提案したところ、本人が「受け入れられない。米国に戻りたい」と申し出たため、球団が受け入れたのでした。
オドーアはレンジャーズなどでメジャー通算178本塁打の左の長距離砲問して期待され、推定年俸2億円の1年契約を交わしたが、オープン戦12試合で打率1割7分6厘、0本塁打、0打点の不成績でした。阿部監督は「大金をはたいた新外国人でも、成績が伴わなければ、二軍落ちもありえる」という厳しい方針を示すためにとった行動だったが、オドーアには通じなかったようです。
来日1年目の新外国人選手が開幕前に帰国、退団となるのはチームにとって前代未聞。球団フロントからは恐らく「公式戦での成績を見てからでもいいのでは」との声も上がっただろうが、阿部監督は自分の意志を貫いたようです。
大谷選手と阿部監督の「反骨心」。日本男児の意気と感じましたが、さて――。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。