巨人のドラフト1位入団の西舘勇陽投手(中央大学)が、本拠地の東京ドーム初登板で被本塁打、3奪三振と、「プロの洗礼」と「すぐに修正」を同時に味わう一日となりました。

 1-1で迎えた九回に登板した西舘は、先頭の荻野貴司に3球続けて直球を投げた後のカウント2-1からの4球目の149㌔の直球が真ん中高めに入ると、打球は左翼席に運ばれました。四球を恐れて直球を続けてしまった西舘だが、「頭が真っ白になった」後は、別人のような投球に修正することができました。

 直球にカーブ、フォークなどを交えた投球に変えると、石川慎吾をカーブ、山口航輝を150㌔の直球、安田尚憲を149㌔の直球で3人連続空振り三振に仕留めました。「打たれた後に立ち直ることが出来たのは大きい。低めにコントロールできたのがよかった」と投球を振り返りました。

 「開幕一軍」は当確で、勝ちパターンの七回の登板を任されることになる公算が大です。「先頭打者にどう入っていくかが、試合の終盤では大事になると思う。その難しさを経験できたのはよかった」と、西舘は受け止めたようです。阿部慎之助監督も「プロは甘くないぞと、本人もわかっただろう。捕手の岸田行倫も含めて配球も考えていかないといけない」と、反省を促していました。

 西舘以外のルーキーも、ドラフト3位の佐々木俊輔外野手(日立製作所)が「2番、中堅」で出場し、二塁打を含む3打数2安打、1盗塁。同4位の泉口友汰内野手(NTT西日本)は途中出場で3打数1安打と結果を残しました。

 阿部監督は「3人とも絶対的に必要な戦力だから、開幕で一軍にいるよ。佐々木は先発でゲームに出れなくても、代走で使える」と明らかにしました。さらに同5位の又木鉄平投手(日本生命)も開幕一軍入りの可能性があります。

 指揮官も新人時代の2001年、当時の長嶋茂雄監督に抜擢され、1978年の山倉和博以来23年ぶりに新人開幕マスクを被ることができました。それがチームに新風を吹き込むことが出来たと実感した経験があるだけに、ルーキーの抜擢に意欲的なようです。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。