巨人は、14日のソフトバンクとのオープン戦でドラフト3位ルーキーの佐々木俊輔外野手(日立製作所)が5試合連続安打で打率を5割に乗せるなど、新人選手の活躍が目立っています。1985年以降、新人の開幕一軍人数の最多は2010年の3人だが、今季はこれを上回る4人となる可能性が出てきました。

 佐々木はこの試合、「2番、中堅」で出場し、一回、追い込まれてから低めのスライダーに反応して二塁への内野安打を放つと、六回は懐に食い込むカットボールを右前に運び、エンドランを成功させました。これでオープン戦通算では26打数13安打の打率5割で、12球団トップに立っています。

 佐々木の打撃を二岡智宏ヘッド兼打撃チーフコーチは「スイングスピードが速いから、引き付けて打てる」と解説し、投手の左右に関係なく広角に打ち分けられるのも、新人離れしたスイングスピードがあってこそと言えます。キャンプ初日には打球速度がプロでもトップクラスとされる170㌔を超え、阿部慎之助監督を「すごい」とうならせました。

 佐々木は「飛んでくれたところが良かったぐらいにしか思ってない。監督の理想像に当てはまらなければ、開幕ファームもありうる」と慢心はないようです。 

 佐々木以外にも、ドラフト1位の西舘勇陽投手(中央大学)、4位の泉口友汰内野手(NTT西日本)、5位の又木鉄平投手(日本生命)が開幕一軍の有力候補となっています。この4人は、9日のオリックス戦では全員が出場しました。2位の森田駿哉投手(ホンダ鈴鹿)は左肘痛で離脱しているが、一軍入りの実力は十分にあります。

 昨年10月のドラフトでは高校生の指名は育成のみという即戦力ドラフトになったことが、「4人開幕一軍」の理由と言えます。もし、4人登録となれば22年の広島以来で、巨人では10年の長野久義外野手(ホンダ)、市川友也捕手(鷺宮製作所)、土本恭平投手(JR東海)の3人を上回って、85年以降では最多になります。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。